固定価格買取制度(FIT)の今後はどうなる?【2018年10月考察レポート】 - 投資用土地付き分譲太陽光発電の物件探しは【メガ発】

固定価格買取制度(FIT)の今後はどうなる?【2018年10月考察レポート】


固定価格買取制度(FIT)というのは再エネ電気を固定価格で買い取る制度で、太陽光発電はこれにより高値で電気を買ってもらえるため、制度導入と同時に一気に普及することになりました。

しかし、高値買取という方法はかなり荒治療だったのか、いろいろ問題も出てきました。このため固定価格買取制度を見直す動きが強まっています。今後固定価格買取制度はどのようになっていくでしょうか。すでに見直されたものや見直し中の問題も含めてレビューしてみたいと思います。

未稼働案件の見直し問題

最近、新聞で未稼働案件に対し買取の見直しを指摘する記事がありました(朝日新聞デジタル「太陽光買い取り見直し検討 未稼働は認定取り消しや減額」)。

この記事、ざっと内容を言うと「固定価格買取制度(FIT)導入初期の高い買取価格で認定された案件で未稼働のものが多く残されているけれど、高い買取価格のままこれらが稼働すると国民負担で事業者に不当利益を与えることになる。これは不適切で、認定の取り消しや買取価格の見直しを行うべきだ」というものです。

内容は確かに正しいのですが、この問題は3-4年前から指摘されてきたことで、経済産業省も対策を打ってきました。残念ながら、経済産業省の対策はまだ効果を上げていないのが現状で、そのことも大きな問題ではないかと思います。上記の新聞記事だとその辺りがよくわからないので、もう少しこの問題を掘り下げてみたいと思います。

当初の固定価格買取制度における問題点

まず基本的な問題は新聞記事のとおりですが、次のようにまとめられると思います。

  • 固定価格買取制度(FIT)の買取価格が当初高く設定しすぎた
  • 当初の高値買取の権利を持った未稼働案件がまだ多数残っている
  • 高値買取を維持するための国民負担が過大になっている

当初の固定価格買取制度(FIT)価格が高すぎたということは誰もが認める点でしょう。経済産業省も認めるところだと思います。

もともと経済産業省には、固定価格買取制度(FIT)の立ち上がり時期の買取価格を高く設定して太陽光普及に弾みをつけたいという思惑がありました。ただし、高値買取で太陽光がバブル化するのを避けるため3年以内に買取価格を適正化する予定でした。前出の新聞記事にある固定価格買取制度(FIT)価格変遷のグラフのように、経済産業省では予定通り固定価格買取制度(FIT)価格を引き下げてきたわけですが、残念ながら太陽光のバブル化は経済産業省の予想以上に進んだようです。これが国民負担の増大という問題を引き起こしました。

問題は当初3年の高価格買取案件に未稼働のものが多く残っていることです。これらがこれから稼働すると国民負担が更に増大し、太陽光発電普及促進制度に対する批判・反対が高まってきます。経済産業省もこれには問題意識を持ち、認定を取得しても正当な理由もなく長期間未稼働の発電所の認定を取り消す方針を打ち出しました。しかし「正当な理由もなく」というのでは不十分で、認定をとってからの土地取得や電力交渉に時間がかかることも多くあり、認定取得したまま「正当な理由」で未稼働の案件が未だに多く残っているといえます。

未稼働案件に対しては、認定をとった数年前と今では太陽光発電の建設コストが大幅に安くなっていますので、遅れて稼働した分は買取価格も妥当な値に下げるべきという意見も見られます。 まして収益性を良くするためにわざと建設を遅らせたと見られるような悪質なケースでは、見直しどころか認定取り消しなどの罰則も考えられます。

未稼働案件への対処はもっと早く進めるべきだった問題であったといえますが、国の政策が絡むこともあり法律などの環境整備が大変だったのでしょう。
ただ、これから太陽光発電所を設置しようとする人は、当然のことながら遅滞なく作業を進めていくことが必要とされるようになりました。

2014年の認定取り消しに関して

経産省が144件の認定取り消しを発表

改正FIT法

固定価格買取制度(FIT)で太陽光が導入促進されるようになってから、上記の未稼働問題の他にもいろいろ問題点が出てきました。

太陽光発電事業に対する安全性の確保

特に問題になったのが、危険な設置をしたまま管理もせずに放置運転している太陽光発電所でした。このような発電所が出てきたのは、太陽光発電を規制する法律が明確でなく、適用する技術基準などはあっても罰則規定がないため、実質的には規制がないような状況だったからです。

このため、経済産業省はFIT法を改正して問題のある発電所を規制できるようにしました。主な改正点は次の通りです。

  • 発電所をフェンスで安全に囲む
  • 発電所の所有者や管理者を見やすい場所に掲示する
  • 対応する技術基準を守る
  • 定期的に運用報告をする
  • 上記を守れない場合は認定を取り消す

これらのうち重要なのは最後の罰則規定です。上記に掲げるような運用をしていない太陽光発電所に対して、経済産業省は固定価格買取制度における高値買取の認定を取り消すことができるようなりました。 「対応する技術基準を守る」というのは難解ですが、耐風圧強度を持つことや地盤の強度を保つことなどは必須でしょう。

今年の台風や豪雨では、多くのパネルが飛ばされたり発電所が崩れたりしていました。 これらの中には、技術基準をしっかりと守っていたら防げたものも多くあったのではないかと見られます。 今のところ人災に至っていないのが幸いですが、既存発電所で技術基準を守らずに作ったところは早急に対処して欲しいところです。 これから太陽光発電所を作る人は、もちろん技術基準を守って建設しなければなりません。

一方、既存の不良太陽光発電所の認定取り消しは重要な課題です。 これらの発電所はほとんど初期の高い買取価格で運営していると思われます。 不良発電所の認定を取り消すことで、最近の安い買取価格の発電所を何倍も認定することができるからです。 今のところ改正FIT法により認定を取り消された例を聞きませんが、太陽光発電の健全な普及のため改正FIT法の徹底を是非進めていってもらいたいものです。

改正FIT法に関してはこちらも御覧ください。

2017年4月 改正FIT法が施行【太陽光発電の設備認定・固定価格買取制度はどう変わる?】

これからの固定価格買取制度

前出の朝日新聞の記事に固定価格買取制度(FIT)太陽光発電の買取価格の推移グラフが掲載されています。わかりやすいグラフなので再掲します。

グラフに見られるように、太陽光発電の買取価格は最初40円(産業用の2MW以下)でしたが、今では18円にまで下がっています。 昨年2017年には2MW以上のメガソーラーは買取価格指定から入札制に変わりましたが、最近の入札では予定上限買取価格15.5円(非公開)に対して、落札できた会社はゼロでした。 ただし経済産業省は強気で、産業用高圧も入札制にし、落札上限価格もさらに下げていく方針のようです。 低圧に関しては数が多いので入札は難しいかもしれませんが、買取価格は高圧・特高の入札結果に準じて決めていくようです。 経済産業省はこのペースで買取価格を下げていき、できれば2020年代半ばには買取価格を現在の半額程度に(産業用は8.5円/kWh、住宅用は11円/kWh)にまで下げたいと考えているようです。

これぐらいの価格になると一般電源と変わらないレベルです。 住宅用などは売電するより自家消費する方が得なのでしょうけれど、自家消費に必要なバッテリーのコストを考えると余剰売電のままの方が良いかもしれません。 また、今後は多数の住宅の「太陽光発電+バッテリー」を対象とした新しいVPPやアグリゲーション事業なども有望と考えられています。 ただ太陽光発電もバッテリーも現状ではかなり高く、まだ事業創出には至っていません。 このようなコストの問題は市場にも依存しますので、うまく誘導すれば新しい住宅用太陽光市場が形成される可能性があります。 このようなことから、住宅用固定価格買取制度は見直しされながら今後も何らかの形で残ると考えられます。

産業用については50kW未満の低圧でこの価格を実現するのは難しくなってきます。 遊休地を利用でき保守も自分でできるなど特殊な場合でないと事業は難しいでしょう。 もともと50kW以下というのは日本にだけ見られるケースで、これは電気事業法で50kW以下の発電所は装備が簡略化できるところから来たものです。 しかし改正FIT法で太陽光発電所の規制が厳しくなってくると、それなりの装備が必要 = コストの増加 = 経済性が悪くなるため50kW以下の低圧太陽光発電は将来的には少なくなっていくと思われます。

一方、高圧以上の発電所であれば経営努力で売電事業を行うことは可能と見られます。 買取価格は下がってきて事業が難しくなると思われがちですが、世界的にみて日本の太陽光発電は建設コスト・買取価格が高いと言われています。 経済産業省もその意識が強いので、入札制で太陽光発電システムのコストダウンを誘導していくようです。 そうなると、これからは規模の効果が得られるメガソーラーが中心になるでしょう。 経済産業省は太陽光発電が一般電源と競争力のある電源として「主力電源化」できるように固定価格買取制度(FIT)入札制度を継続していくと思われます。

まとめ

当初、鳴り物入りで導入された固定価格買取制度も、いろいろな問題から批判を受けるようになりました。 制度の問題点は是正されつつあり、太陽光発電事業もそれと共に適正化されていくでしょう。 おそらく、今後の太陽光発電事業は大規模な発電事業と住宅用事業に集約されると思われますが、現状の最大の課題は日本の太陽光発電の高コスト構造にあると思います。 固定価格買取制度は太陽光発電のコストを下げるのに使われていくでしょうが、同時に新しい太陽光発電市場の形成にも役立ってくれたら良いと思います。

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