北海道電力、風力発電所導入拡大に向け実証試験
北海道電力は2017年度以降、風力発電を導入拡大のために東京電力と共同で、北海道と本州を結ぶ北本連系設備などを活用した実証試験に取り組んでいます。
北海道は風力資源が豊富な一方、再生可能エネルギ―発電の弱点とも言える
- 1.稼働率の低さ
- 2.出力の不安定さ
から、風力発電の接続可能量は36万kWを上限としていました。
風力発電をさらに導入するためにはその分の調整電源(火力発電など)が必要になり、また導入量が増えた場合、風力発電による出力変化はさらに大きくなるため※、その変化に対応する調整力の確保が課題となります。
(※再生可能エネルギーは気象条件などにより出力が変動する。この内、数十分単位の変動を「短周期変動」、数十分から数時間の出力変動を「長周期変動」といいます。)
その解決策の一つとして考えられているのが『広域連系の実現』、つまり北本連系線の追加増強による他地域との連系強化です。
北海道・東北の一部地域では風況が良、風力発電に適しているにも関わらず、送電網が脆弱なために風力発電の普及が阻害されており、この広域連系を強化することでこの状況を解消を図ります。
広域連系強化のイメージ
引用:北海道電力「北本連系設備増強の必要性」
北海道と本州を結ぶ北本連系設備を増強、北海道内で調整の効かない電力を東北電力へ送電、東北電力の調整力を利用し、更に調整が効かない分を東京電力へ送電することで調整。
この様に、他電力会社エリアとの連系を強化することで、一地域のみで調整が効かない電力を分散させることで最終的に「接続可能量を増やす」=「風力発電の導入量を増やす」ことに繋がります。
今回の実証実験とは?
引用:北海道電力「東京電力との風力発電導入拡大に向けた実証試験」
実証試験として、北本連系設備を活用し新たに20万kWの風力発電を導入。以下の点を確認する。
引用:北海道電力「東京電力との風力発電導入拡大に向けた実証試験」
- 20kWの風力発電導入拡大による電力系統(発電・変電・送配電など電力の設備全体のこと)への影響
- 既設地域間連系線の利用に与える影響
- 風力発電の出力予測精度
- 風力発電出力抑制技術の検証
この実証実験により、最終的には以下二点の活用を目指す。
北本連系設備の活用
- 新たに連系する風力発電の出力を30分単位で予測、長周期変動に相当する電力を、調整力に余力がある東京電力へ送電。
- 上記により調整力不足を解消し、さらなる風力発電の導入を図る。
風力発電出力抑制技術の活用
- 北本連系設備が活用できない状態(調整力不足に陥る場合)風力発電の出力抑制を実施する。
- 出力抑制は最小限にしつつ、電力系統の安定を維持する。
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