太陽光パネルのメーカー保証について

このページでは太陽光パネル(モジュール)のメーカー保証について解説していきます。

太陽光パネルは産業用で20年、住宅用でも10年と長期での利用が前提となっています。
購入者が安心して利用できるように一般的な家電製品と同じようにどのパネルメーカーにもメーカー保証が付いています。

このメーカー保証が付いていることで保証期間中であれば、故障や不具合があった際に修理や交換してもらうことできます。
しかし、保証期間や保証内容、保証範囲はパネルメーカーによって異なる点には注意が必要です。
パネルメーカーによって故障した場合にかかる費用が変わってきますので、メーカー保証の内容や期間は必ず確認し、各メーカーの違いを考慮しながらパネルを選ぶようにしましょう。

それでは、太陽光パネルのメーカー保証はどのような内容になっているかみていきたいと思います。
まずは保証期間から見ていきましょう。

保証期間は最低でも10年

一般的な家電製品の保証期間は基本的に1年となっていますが、太陽光パネルの場合はどのメーカーも最低でも10年保証となっています。
冒頭でも書いたように、太陽光パネルは10年~20年と長期で使うことを前提としているため、安心して長く使えるように長めの保証となっています。
また、10年以上保証を付けないと国からの補助金が出ないというのも長期保証の理由です。

太陽光パネルでは無償での10年保証が基本となりますが、メーカーによっては無償で20年保証がついていたり、有償で15年や20年に保証期間を延長できるところもあります。

同じメーカーでも製品保証と出力保証で保証期間が異なる場合も多いので、その点も必ず確認するようにしましょう。
製品保証と出力保証については後ほど説明していきます。

保証内容

太陽光パネルのメーカー保証には大きく分けて2つの保証がついていて、1つが製品保証(機器保証)と、もう1つが出力保証です。
また、稀に自然災害補償が付帯しているメーカーもあります。

製品保証(機器保証)

製品保証は一般的な家電製品についているメーカー保証と同じようなものです。
太陽光パネルに製造上の不具合が見つかった場合に修理や交換をしてもらえます。

太陽光パネルの製品保証には太陽光パネル単体を保証するものと、パネルやパワコン、架台などをシステム全体を保証する周辺機器保証(システム保証)があります。
周辺機器保証に関しては後述しています。

保証の対象外となるのは、台風や地震などの自然災害で故障した場合や本来の使い方ではなかった場合(重過失)、そして故意に壊した場合などです。
しかし、メーカーによっては自然災害で被災した場合でも保証する「災害保証」が標準で付いていることもあります。
災害保証については後ほど説明します。

周辺機器保証(システム保証)

50kW未満の低圧太陽光発電システムの場合、太陽光パネルだけではなく、パワーコンディショナーや架台など周辺機器全体を保証する「周辺機器保証(システム保証)」を提供しているメーカーもあります。

基本的に周辺機器保証を受けるためには太陽光パネルをはじめとして太陽光発電システム全体を同じメーカーで揃える必要があります。

周辺機器保証の内容はメーカーによって様々で、自然災害補償が付帯することもありますし、どの機器まで補償されるかという補償範囲も異なるため、メーカーや販売店に確認する必要があるでしょう。

出力保証

出力保証とは太陽光パネルの出力が一定の期間、規定の数値を下回った場合に、メーカーが修理や交換を行ってくれるものです。

太陽光パネルは20年間ずっと同じ電力を発電し続けることは難しく、年々少しずつ発電効率は低下していきます。
これはメンテナンスを行うことで最小限に止めることは可能ですが、電子機器である以上、経年劣化は止む終えません。
そのため、発電量のシミュレーションも発電効率の低下を考慮して計算されています。
パネルメーカーではこのような発電効率の低下も考慮した上で、規定の出力数値を定めています。

ほとんどの場合、出力保証は「公称最大出力の80%」のような形で書かれており、シャープでは「公称最大出力の下限値の90%」のように下限値まで設定されています。
ちなみに、公称最大出力とはメーカーが公表しているそのパネルの最大出力のことです。

シャープの場合、保証される出力は以下のようになります。

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【例】シャープの出力保証

「公称最大出力の下限値の90%」が出力保証だった場合
(下限値は90%)

・公称最大出力の90%の90%となる
(0.9×0.9=0.81)
↓つまり
・「公称最大出力の81%」が出力保証の基準となる

太陽光パネルの公称最大出力が260Wだった場合、
出力保証の基準は
260Wの81%なので、
260×0.81=210.6W
となります。
太陽光パネルの出力が210.6Wを下回ると出力保証の対象となります。

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出力保証を受けるのは簡単ではない?

太陽光発電の発電量は日射量に左右されるため、太陽光パネルは常に最大の出力で発電しているわけではありません。
そのため、出力保証の基準値を下回ったとしても、それが太陽光パネルの故障なのか、気象条件によるものなのかどうかを証明する必要があります。

故障であることを証明するためには発電モニターで発電量を監視し、日々のデータを記録しておくことが重要です。
そうすることで、イレギュラーな出力低下なのかどうかが判断できるでしょう。

災害補償

パネルメーカーの中にはメーカー保証の1つとして、火事や台風、落雷、洪水などの被害を補償してくれるところもあります。

太陽光パネルは屋外に設置するものなので、台風や大雪など自然災害によって故障することも考えられますし、また、ケーブルや電気系統がショートして太陽光発電所が火事になることも考えられるでしょう。

近年は異常気象が増えてきており、台風や記録的豪雨、豪雪によって太陽光発電所が損害を受けているニュースを見ることも多くなっています。
そんな中で火災や自然災害まで補償してもらえると非常に心強いと言えるでしょう。

無償で災害補償を提供しているメーカー非常に少なく、有名なところでは京セラぐらいで、無償で10年、有償で15年の災害補償を提供しています。

京セラ以外のパネルメーカーも有償で災害補償を提供していることもあるので、販売店に確認してみることをお勧めします。

住宅用の場合は火災保険で賄える

太陽光パネルを家の屋根やカーポートの屋根に設置している場合、建物の一部と見なされるため火災保険で補償されることがあります。
すでに加入している火災保険があれば、保険会社に相談するのも1つでしょう。

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