パワコンのメーカー保証について
このページではパワーコンディショナーのメーカー保証について解説していきます。
太陽光パネルと同様にパワコンも20年間という長期で利用しますので、パワコンのメーカー保証についてもしっかりと把握しておく必要があるでしょう。 特にパワコンは太陽光パネルに比べ、寿命が短いのが一般的ですので、よりメーカー保証の重要度が高いと言えます。
メーカー保証の内容
パワコンのメーカー保証は大きく2つに分けられます。
- 単体での保証
- システム保証
単体での保証
単体での保証は家電製品と同じような通常のメーカー保証です。
製造上の問題によりパワコンが故障した場合に、修理または同等の価値のものと交換されます。
保証期間中はパワコン本体や部品は無償で提供されますが、メーカーによってはパワコンの修理・交換にかかる工事費用は負担しないといけない場合があります。
思わぬ出費となる可能性が高いですので、保証内容はメーカーや販売店に必ず確認しておくようにしましょう。
これは太陽光パネルのメーカー保証に関しても同じことが言えます。
システム保証
太陽光パネルと同じメーカーのパワコンを設置している場合、太陽光パネル、パワコン、架台など太陽光発電システム一式を保証してくれる「システム保証」を提供しているメーカーもあります。
システム保証は単体での保証よりも保証内容が手厚いことが多く、モニタリングサービスがセットになっていたり、自然災害補償が付いていることもあります。
低圧(10kW以上50kW未満)の産業用太陽光発電システムだと、太陽光パネルとパワコンのメーカーが異なる場合が多いので、システム保証を受けることは難しいかもしれませんが、システム保証が利用できるかどうか販売店やメーカーに相談してみるのも良いでしょう。
販売店よって保証内容が異なることも
パワコンの保証はメーカーではなく、販売店が提供している場合もあるため、同じメーカーのパワコンでも販売店ごとに保証内容が違う場合もあります。
保証期間
パワコンの保証期間は短いものだと1年間だけというものもありますが、無償で5年~10年保証されるのが一般的です。
メーカーによっては有償で保証期間を延長できるところもあります。 例えば、SMAでは基本保証として無償で5年間の保証がついていますが、オプション(有償)で10年、15年、20年と延長保証を選択することができます。
また、先ほど販売店によって保証内容が違うことがあると説明しましたが、保証期間も異なる場合があるので、しっかりと確認しておきましょう。
パワコンの寿命は10年前後
パワコンの寿命は太陽光パネルよりも大幅に短く、一般的に10年~15年と言われています。
10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電システムの場合は、固定価格買取制度が20年続くわけですから、ほとんどの太陽光発電システムではこの期間中に1度はパワコンを交換することになるでしょう。
1台25万円のパワコンを5台設置している場合、パワコンの交換費用だけで125万円もかかってしまいますが、保証期間中であればメーカーが無償で交換してくれます。
そのため、20年保証がついていればベストですが、ここまで長期保証はなかなか無いので、できるだけ10年や15年保証のパワコンを選ぶことをお勧めします。
過積載でも保証されるのか?
「過積載」とは発電量を増やす目的で、パワコン容量よりも大きな容量の太陽光パネルを設置することを言います。
最近では49.5kWのパワコンに、これを大きく上回る70~80kWの太陽光パネルを設置するなどのスーパー過積載もあるくらいです。
太陽光発電システムの容量は、パワコンと太陽光パネルの容量のどちらか小さい方となりますので、パワコンが50kW未満であれば問題なく低圧の太陽光発電システムとなります。
しかし、どのくらい過積載するのかという過積載率によってはメーカー保証の対象外となるケースもありますので、過積載でもパワコンがメーカー保証の対象となるかどうかはメーカーに確認しておく必要があるでしょう。
オムロンのパワコンでは過積載でも保証対象
パワコンの大手メーカーであるオムロンでは過積載の導入をためらっていた方に向けて、ホームページ上ではっきりと「過積載でもメーカー保証」と記載されています。
太陽光パネルの接続容量に制限はありませんが、入力電圧と入力電流の条件を満たしている必要があります。
ちなみに、運転可能電圧範囲が400Vの5.5kWのパワコンの場合、パネル9.36kW×9=84.24kWまで積載することができます。
積載率で言うと、170%まで積載可能です。
オムロンのように過積載でも保証対象を大きく打ち出しているメーカーほとんどありませんが、他のメーカーでも過積載が可能な場合もありますので、一度確認してみることをおすすめします。