雪の降る地域は太陽光発電には向いていないのでしょうか?
豪雪地帯で予想外の結果?青森県弘前市が検証
メガソーラーは豪雪地帯でも十分に発電、弘前市が実証結果を公表
豪雪地帯でも対策を施せば太陽光発電事業は可能なのか。その可能性を検証するために青森県弘前市は実証事業を実施しており、このほどその実績を公表した。想定の計画値より16%多い発電量を記録し、豪雪地域でも十分な発電量を確保できたとしている。
スマートジャパン2016年10月04日掲載記事より抜粋:『メガソーラーは豪雪地帯でも十分に発電、弘前市が実証結果を公表』
この実験は雪量の多い地域であっても、対策を施せば十分な発電量を確保できるかを検証するのが目的とのことで、総出力1.5MWという大規模な太陽光施設による検証を行っています。
検証結果は上記にも記載があるように、なんと計画値を16%も上回るという想定以上の成果があったそう。
もともと事業化が可能と考えられるスキームにより実証をしているということなので、その計画より116%の発電実績があったということは、十分に事業として運営が見込めるデータが出たといえるのではないでしょうか。
発電量について考察
<弘前市の分析>
日射量について弘前市と東京都を比較した場合、夏季はむしろ弘前市のほうが日射量が多く、年間平均にすると東京都と比較しても3.3%少ないだけという結果だった。
これらの結果から豪雪地帯でも日射量が多く発電効率の良い春~夏季は十分な発電量が確保でき、さらに冬季においても積雪対策を考慮したパネル設置や、監視システムにより十分な発電が行える。
弘前市はこうしたデータから、豪雪地域においても太陽光発電の導入は可能であることが分かったとしている。
スマートジャパン2016年10月04日掲載記事より抜粋:『メガソーラーは豪雪地帯でも十分に発電、弘前市が実証結果を公表』
太陽光パネルは温度によって発電効率が変化し、最も効率のいい温度は約25℃といわれています。そのため寒冷地域では、暑い地方に比べ日照量は劣るものの、春~夏季は効率よく発電することができるのだそうです。さらに今回の検証では、積雪をする時期でも発電がゼロではなく事業化は可能だろうとのことでした。
東北や北陸においては、雪や日射量のイメージから他地域と比較し太陽光発電が少なくなっています※。しかし今回、この様な実証結果が裏付けとなり、太陽光発電には向かないとされていた地域でも、発電施設拡大に期待が高まります。
※(経済産業省 資源エネルギー庁:「太陽光発電システム等の普及動向に関する調査」P.35)
また、東北地方は風況が良く小型風力発電に適しているとされています。ですので、太陽光発電 + 小型風力発電のダブルの再エネ発電をおこなうのも非常に魅力的ですね。