太陽光発電所のパワコン交換について
公開日:2024/01/28 | | カテゴリ:太陽光発電投資の基礎知識
FIT制度も10年以上が経過し、メガ発にもパワコン交換に関するお問い合わせをいただくことが多くなってきたので、パワコン交換について書いていきます。
本記事では主に低圧太陽光発電所の「パワコン交換」を中心にご案内させていただきます。
パワコン交換はそもそも必要なのか?
結論から申し上げますと。イエスです。保証期間の前あたりでパワコンの交換を検討されるのがベターな選択です。
40円や36円の時代に太陽光発電所を購入された方はこんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「太陽光発電所はメンテナンスフリーです。」
実際はどうでしょう。全くそんなことはないですよね・・・。1年程運営すればご理解いただけると思いますが、草刈りはもちろん、何かしらの故障を経験された方もいっらっしゃることでしょう。
そして、一番コストがかかるはずのパワコンに交換が必要といった案内もほぼなかったと思われます。パワコンの保証が10年というところは保証書から読み取れますが、10年前後でパワコンが故障する可能性が高く一度は交換が必要でさらにその交換に300万円前後の費用がかかるなんて・・・。
パワコンに交換が必要といった認識が広がりはじめたのは、SMA社が低圧向けに20年保証のパワコンを出し始めたあたりからと思われますが、そのSMA社も現在、低圧向けのパワコンは取り扱っておりません。
FIT単価24円、21円あたりから、パワコン交換も含めたシミュレーションを提示する事業者も出てきてはおりましたが、パワコンに交換が必要という共通認識が出てきたのは、本当にここ数年の話しだと感じています。
それくらいパワコン交換というものについて発電事業者もEPC事業者も無頓着だったことが伺えます。
実態として、パワコンは交換が必要で、費用もかかります。
パワコンの寿命と交換時期の目安
パワーコンディショナ(パワコン)の平均的な寿命は10年から15年とされており、一般的な家電製品と同程度です。
一方で、太陽光発電システムの主要機器である太陽光パネルは25年から30年間の長期にわたり発電能力を維持します。
パワコンが故障すると太陽光による発電そのものが停止するため、その寿命管理は極めて重要です。
特に設置から10年が経過すると、内部のコンデンサーや半導体といった電子部品の劣化が進行し、故障のリスクが高まります。
多くのメーカー保証は10年で終了するため、この保証が切れるタイミングが交換を検討する一つの大きな目安となります。
早い場合、8年目あたりから不具合が発生することもあるため、保証期間内であっても定期的な点検を怠らないようにしましょう。
パワコンの寿命と交換時期の目安
パワーコンディショナ(パワコン)の平均的な寿命は10年から15年とされており、一般的な家電製品と同程度です。
一方で、太陽光発電システムの主要機器である太陽光パネルは25年から30年間の長期にわたり発電能力を維持します。
パワコンが故障すると太陽光による発電そのものが停止するため、その寿命管理は極めて重要です。
特に設置から10年が経過すると、内部のコンデンサーや半導体といった電子部品の劣化が進行し、故障のリスクが高まります。
多くのメーカー保証は10年で終了するため、この保証が切れるタイミングが交換を検討する一つの大きな目安となります。
早い場合、8年目あたりから不具合が発生することもあるため、保証期間内であっても定期的な点検を怠らないようにしましょう。
パワコンの劣化とは?故障の原因はどういったものがある?
パワコンの劣化や故障の最も一般的な原因は、避けられない経年劣化です。
長期間の使用により、内部の電子部品が性能を発揮できなくなります。
これに加えて、台風や豪雨、落雷といった自然災害が原因で、配線や本体に物理的な損傷が生じることもあります。
また、日常的な管理も故障原因に直結します。
特に、内部の熱を逃がすための換気フィルターにホコリやゴミが詰まると、冷却効率が低下して内部が高温になり、部品の劣化を早めたり、故障を引き起こしたりします。
こうしたリスクを低減するためには、年に一度程度の定期的なメンテナンスが非常に重要です。
メンテナンスでは、パワコン本体だけでなく、周辺の配線や設備に異常がないかも合わせて確認します。
パワコンの劣化や故障で気を付けておきたい点
パワコンの劣化や故障の兆候には、いくつかの注意すべきポイントがあります。
まず、普段は聞こえない「ブーン」という異音が発生した場合、内部の冷却ファンやコンデンサーに異常がある可能性が考えられます。
また、モニターに表示される発電量が以前より明らかに低下している、あるいは頻繁に運転が停止するといった症状も故障のサインです。
エラーコードが頻繁に表示されたり、表示画面自体が消えてしまったりする場合も同様です。
これらの現象が、特に設置から10年以上経過した機器で見られるのであれば、寿命による劣化が原因である可能性が高く、交換を検討すべき時期です。
使用年数が短い場合は修理で対応できることもあるため、異常に気づいたら速やかに専門業者へ相談することが大切です。
メーカーの保証期間が終了したらどうする?
多くのパワコンメーカーが提供する保証期間は10年です。
この期間が終了してもパワコンは稼働を続けますが、経年劣化による性能低下や故障のリスクは高まります。
そのため、保証が切れる10年目という節目は、交換を具体的に計画する良い機会と言えます。
特に2014年以前に太陽光発電設備を導入した場合、すでに交換時期を迎えている可能性が高いでしょう。
現在のパワコンは、10年前のモデルと比較して変換効率が向上しており、価格も下がっている傾向にあります。
最新の高性能な機種に交換することで、同じ太陽光パネルのままでも発電量を増やす「リパワリング」効果が期待でき、長期的な売電収入の増加に繋がります。
安定した太陽光事業の運営のためにも、積極的な設備更新が有効な選択肢となります。
パワコン交換は保証期間を待ったほうがいいのか?
パワコンの保証期間は10年・15年のものが一般的です。保証期間内に保証内の故障であれば修理・交換対応となるため、「保証期間が終わってから」もしくは「保証が切れるタイミングと同時に」と考えられる方も多くいらっしゃるのが実状ですが、果たしてその選択で問題ないのでしょうか。
もし、保証が切れてしまってからパワコンの交換を行おうとすると、全て自費で対応する必要があり、更に故障している場合は売電をロスしてしまいます。そして失われた売電は戻ってきません。
正直な話、いずれにしろ交換を行うのであれば早い方が得策です。前述しましたが、単純にパワコン交換を行うだけでも数%程度の発電量アップが見込めます。
売電がアップすることを考慮すると、保証期間よりも前にパワコンを交換して、発電量が上がる状態で残りの期間に売電を行うのが最善策です。
パワコンの納期って実際どれくらいなの?
さて、パワコン交換について調べてたり、検討段階に入ってくると次に出てくるのが「パワコンの納期」問題です。
「半導体不足で~」「感染症で~」「円安で~」などの理由で最長で半年以上かかります!といった記事をみることもありますが、さすがに現状では半年といったことはほとんどないですが、それでも数ヶ月程度かかるのは普通です。
理由は3つ。
・業者の初期対応までの時間
・メーカーからの納期が数ヶ月かかるケースあり
・EPC事業者の工事可能日が数ヶ月先。
パワコン交換の納期についてですが、通常パワコンが故障した場合、以下のようなフローとなります。
※EPC業者もしくはメンテナンス業者に連絡されると思いますが、ここでは業者で統一。
①発電事業者が遠隔監視、目視等でパワコンの故障を認識
②発電事業者が業者に連絡
③業者が現場に赴きパワコンの故障を確認
④現場にて業者がメーカーに連絡し故障内容を確認
⑤故障が保証内のものであれば、修理もしくは交換
まず、③業者が現場に赴きパワコンの故障を確認
ここで時間がかかることがあります。優良業者でも現場に赴くまでに数日はかかります。遅い業者だと二週間程度かかることもあり、最悪のケースでは業者が倒産して連絡が取れないといったケースも想定されます。この場合はかなり時間がかかります。
また、業者が倒産していて他業者に依頼する場合は、基本的に駆けつけ費用が別途かかる、自社の工事ではない現場にはあまり行きたがらないといった実態も頭に入れておく必要があります。
次に、④現場にて業者がメーカーに連絡し故障内容を確認。ここで交換もしくは修理が必要なレベルの故障と判明した場合にメーカー対応となります。ただし、保証外の故障の場合は別途費用がかかる点には注意が必要です。
最後の⑤故障が保証内のものであれば、修理もしくは交換
ここで対応が早いメーカーであれば数週間程度で現場にて交換。もしくは業者にパワコンを送付して、業者が現場にて交換といった形となります。
対応が遅いメーカーの場合、1~2ヶ月程度かかるケースもあるようです。特に旧型のパワコンや、現在製造を中止しているメーカーの場合は遅くなるケースが多いと業者からの情報としてあがってきています。
あくまで目安ですが、パワコン交換の納期としては最短で1ヶ月程度、最長で4ヶ月程度と想定しておけばよいと思います。そして気をつけなければならないのは、基本的に故障している間の売電は補償されません。1台だとそれほど被害は大きくないかもしれませんが、全てのパワコンが故障してしまうと数ヶ月売電がゼロという最悪な状態もありえます。
そういった事態を防ぐためにも、保証期間前に新しいパワコンへの交換を検討しておくのがベターな選択です。
パワコン交換のメリット
特に40円や36円などFITが始まったばかりの頃のパワコンの返還効率は90~95%のものが主流でしたが、2024年現在、95~98%程度の高変換効率のパワコンがでてきています。
話を単純化すると、90%のパワコンから98%の変換効率のパワコンに入れ替えるとかなりの効果が期待できます。
もう一つメリットになりそうな点として、系統の組み換えを行って、さらに数%発電量を上げる取り組みを行っている事業者も出てきています。
正直、FIT初期の発電所は工事のレベルが低いものも多く見受けられます。そういった発電所はパワコン交換に加えて系統も組み替えることでかなりの売電アップが期待できます。
パワコン交換のデメリット
当然、費用面となります。一般的なパワコン交換では、単相で300万円、三相で350万円が一つの目安となり、非常に高い金額といえます。
とはいえ、10年前後で交換することが推奨されるため必要経費として折り込む必要があります。ここで重要なのがいかに費用を抑えて売電をアップさせるかとなります。単純にパワコン交換だけを行うよりも前述の系統組み換えなども行いながら、いかに早く回収できるかがポイントになってくるでしょう。
メーカーの保証期間が終了したらどうする?
多くのパワコンメーカーが提供する保証期間は10年です。
この期間が終了してもパワコンは稼働を続けますが、経年劣化による性能低下や故障のリスクは高まります。
そのため、保証が切れる10年目という節目は、交換を具体的に計画する良い機会と言えます。
特に2014年以前に太陽光発電設備を導入した場合、すでに交換時期を迎えている可能性が高いでしょう。
現在のパワコンは、10年前のモデルと比較して変換効率が向上しており、価格も下がっている傾向にあります。
最新の高性能な機種に交換することで、同じ太陽光パネルのままでも発電量を増やす「リパワリング」効果が期待でき、長期的な売電収入の増加に繋がります。
安定した太陽光事業の運営のためにも、積極的な設備更新が有効な選択肢となります。
パワコン交換は保証期間を待ったほうがいいのか?
パワコンの保証期間は10年・15年のものが一般的です。保証期間内に保証内の故障であれば修理・交換対応となるため、「保証期間が終わってから」もしくは「保証が切れるタイミングと同時に」と考えられる方も多くいらっしゃるのが実状ですが、果たしてその選択で問題ないのでしょうか。
もし、保証が切れてしまってからパワコンの交換を行おうとすると、全て自費で対応する必要があり、更に故障している場合は売電をロスしてしまいます。そして失われた売電は戻ってきません。
正直な話、いずれにしろ交換を行うのであれば早い方が得策です。前述しましたが、単純にパワコン交換を行うだけでも数%程度の発電量アップが見込めます。
売電がアップすることを考慮すると、保証期間よりも前にパワコンを交換して、発電量が上がる状態で残りの期間に売電を行うのが最善策です。
パワコン交換の工事にかかる平均費用
パワコン交換の工事にかかる費用は、1回の工事につき約10万円から25万円が一般的な相場です。
この金額には、古いパワコンの撤去、新しい機器の設置、配線接続、そして最終的な動作確認までの作業が含まれます。
ただし、これはあくまで工事費のみの金額であり、パワコン本体の価格は別途必要になる点に注意が必要です。
メーカーの保証期間内に故障した際のパワコン交換であれば、費用は無償となるケースがほとんどです。
しかし、その場合は同等性能の機種への交換に限られるため、発電効率の向上は見込めません。
発電所に複数台のパワコンが設置されている場合は、一度の工事でまとめて交換することで、総額の工事費用を抑えられる可能性があります。
パワコン本体の平均費用
パワコン本体の価格は、その出力容量、メーカー、搭載機能によって大きく異なりますが、産業用の太陽光発電で使われる一般的なモデルの場合、1台あたり約20万円から50万円程度が目安です。
価格が安いという理由だけで機種を選ぶのは避けるべきです。
最も重要なのは、既存の太陽光パネルの仕様やシステム全体の設計との互換性です。
適合しないパワコンを設置してしまうと、本来の性能を発揮できず、かえって発電効率を落とすことにもなりかねません。
どのパワコンが最適か迷った場合は、価格だけで判断せず、必ず実績のある専門業者に相談しましょう。
専門の業者であれば、発電所の状況を的確に診断し、最もコストパフォーマンスの高い製品を提案してくれます。
パワコンの交換費用を抑える方法
パワコンの交換費用をできるだけ抑えるためには、複数の施工業者から相見積もりを取ることが最も効果的です。
同じ内容の工事であっても、業者によって見積金額は異なるため、最低でも3社程度から見積もりを取得し、価格とサービス内容を比較検討することが推奨されます。
その際、単純な総額だけでなく、見積もりに含まれる作業範囲(旧機器の撤去・処分費用など)を細かく確認し、追加費用の有無を明確にしておくことが重要です。
また、複数のパワコンを所有している場合は、故障した1台だけでなく、近い将来交換時期を迎える他のパワコンも同時に交換することで、工事費の割引交渉がしやすくなる場合があります。
計画的な一括交換もコスト削減の有効な手段となります。
パワコン交換の補助金は?
2025年現在、投資用として運用されている太陽光発電所のパワコン交換に対して、国が主体となる補助金制度は基本的にありません。
一部の地方自治体では、住宅用の太陽光発電システム導入や設備更新を対象とした補助金を用意しているケースが見られますが、事業用・投資用の案件は対象外となることがほとんどです。
そのため、パワコン交換の費用は自己資金や融資で賄うのが一般的です。
コストを抑えるためには、補助金に期待するのではなく、複数の施工業者から見積もりを取得し、価格やサービス内容を比較検討することが最も効果的な手段となります。
将来的に新たな制度が設立される可能性も否定できませんが、現時点では業者選定が費用削減の鍵を握ると言えます。
パワコン交換のまとめ
最新の動向も交えながら、パワコン交換についてご案内させていただきました。まとめると費用はかかりますが、早めの交換を検討されるのがよいでしょう。メガ発のお客様のですと運転開始から7~8年で交換を検討されるケースが多く見受けられます。
簡単は決断ではないですが、いずれ交換するのであれば、早めに新しいパワコンに入れ替えることを検討してみましょう。
現在では信販会社を利用してローンでのパワコン交換も可能なので選択肢の一つとしてご検討ください。
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