土地付き太陽光発電のメンテナンスと維持費について
土地付き太陽光発電を購入した後は何もしなくて良い訳ではありません。メンテナンスや設備点検が必要で、故障した箇所があれば修理する必要があるので、太陽光発電にもランニングコスト(維持費)がかかります。今回の記事では購入後のメンテナンスと維持費について解説していきます。
目次
初期費用に含まれる場合もある
土地付き太陽光発電システムでは、基本的に販売会社や施工会社が一括してメンテナンスや維持管理を行なう場合も多くあります。そのため、メンテナンス費用などの維持費が初期費用に含まれるかどうかは確認しておく必要があります。
維持費にはメンテナンス費用の他に管理を委託する場合は管理費、自然災害保険に加入する場合は保険料などが必要となります。
現在ではメンテナンスサービスの内容も向上しており、om’s(オムズ)という商品では、売電補償・保険加入・駆けつけサービス・定期目視点検・監視機器設置・モニタリング・故障時の工賃無料サービスがすべて含まれています。サービス毎に業者を探すよりも費用も労力も抑えられるので、検討してみる価値はありそうです。
維持費はどのくらいかかるのか?
先ほど、維持費にはメンテナンス費用、管理費用、保険料などが必要だと書きましたが、一般的にどのくらいかかるのでしょうか?
経済産業省の調達価格等算定委員会が公開しているデータによると、10kW以上の太陽光発電システムの場合、平成28年度の運転維持費は年間平均6000円/1kWとなっています。よって、50kWの太陽光発電システムだと年間300,000円前後かかることになります。
重要!FIT法改正後はメンテナンスが必須・義務化に
FIT法が改正され2017年4月1日からメンテナンスが義務化されました。
これまでは50kW未満であれば法定点検の義務はありませんでしたが、今後は「適切な保守管理・維持管理を行うこと」に該当しなければ、認定取り消しや運転停止になります。
対象となる物件は?
対象は新制度下で認定を受けた案件及び、みなし認定を受けたすべての案件となります。みなし認定案件とは、改正法施行日(平成29年4月1日)において、一部を除いた接続契約が締結済みの既認定案件のことで、稼働の有無にかかわらず、FIT改正法施行日以降は新制度による認定を受けたとみなされる案件を指します。
詳しくはこちらをご覧ください
【改正FIT法】発電事業計画書について【みなし認定事業者】
つまり、今後購入を検討されている方はもちろん、現在稼働中の物件をお持ちの方にもメンテナンスの義務化が適用されます。
※一部、電源接続案件募集プロセス(いわゆる系統入札)に入っている案件には(平成28年10月1日以降に募集プロセスが終了するものを含む)、募集プロセス終了の翌日から6ヶ月間の認定の猶予期間が設定されているようです。
メンテナンスの必要性
メンテナンスが必要な理由は法的に義務化されたからだけではありません。
太陽光発電はよくメンテナンスフリーと言われますが、必ずしもそうではありません。家庭の屋根につける規模が小さい物であれば、草木が生い茂る心配もありません。多少パネルが汚れても雨で充分間に合いますし、ご自分が常駐職員みたいなものですから何かあってもスムーズに対応できます。
しかし、土地付き太陽光発電や野立ての場合はそうはいきません。規模が大きい分、少しの汚れでも発電量に影響がでてきます。草木もしっかりと対策をしなければ、影ができてしまい発電効率が悪くなります。そういった問題点を解決するためにメンテナンスが必要になってきます。
メンテナンスの主な項目は、パネル清掃・草木の整備・点検となります。これらを一括して施工会社が引き受けてくれますので安心して売電事業をおこなうことができます。詳しい点検内容については一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)が公開している「太陽光発電システム保守点検ガイドライン【10kW以上の一般用電気工作物】」についてに記載されています。また、このガイドラインでは4年に1回以上の点検が推奨されています。
メンテナンス以外にかかる費用
日常点検や定期点検で発電設備に異常が見つかった場合は、速やかに修理・交換するなど対応する必要があります。発電出力低下や効率低下だけでなく最悪の場合人や他の設備に悪影響を及ぼす可能性もあります。
主に修理・交換が必要となり、費用かかるのは太陽光パネル(モジュール)とパワーコンディショナーです。
太陽光パネル(モジュール)
太陽光パネルの寿命は一般的に20年以上となっており、何のトラブルもなく順調に行けば、固定買取期間の20年間で修理、交換することはないでしょう。しかし、台風の被害に遭ったり、カラスなどが石を落としてパネルが割れたりすると、修理や交換が必要になります。
太陽光パネルの保証期間は最低でも10年ついており、有償で15年や20年に延長することもできます。メーカーによっては最初から25年の長期保証となっているところもあります。保証期間内であれば修理・交換は無料で行ってもらえます。
パワーコンディショナー
太陽光パネルで発電した直流電気を交流電気に変換するパワーコンディショナーですが、寿命は太陽光パネルよりも短く、一般的に10年~15年とされています。そのため、20年間のうちに修理または交換が必要となります。
パワーコンディショナーの交換費用ですが、一般的に5.5kWのパワーコンディショナー1台につき25万円前後かかります。50kWの太陽光発電システムの場合だと5.5kWのパワーコンディショナーが9台設置してありますので、220万円~250万円程度かかることになります。一度に全部壊れることはないと思いますが、20年間で総額このくらいかかってきます。
パワーコンディショナーの保証期間は10年のものがほとんどですが、メーカーによっては有償で20年に延長することもできます。10年保証だと保証が切れてからの故障の方が多いと思いますし、交換費用に220~250万円もかかるのであれば、有償でも保証は延長しておいた方が得策かも知れません。
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