4月から改正FIT制度が施行 太陽光発電の認定、買取はどう変わる?-土地付き分譲太陽光発電 – メガ発

4月から改正FIT制度が施行 太陽光発電の認定、買取はどう変わる?


再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が2017年4月から、大きく変わります。そこで、改正FIT制度の施行によって、従来の買取等の内容がどう変わるのか、ここではとくに太陽光発電の認定や買取制度の中身について詳しく見ていきます。

5年ぶり、抜本的見直し

FIT制度の改正はFIT法(再生可能エネルギー特別措置法)の改正に伴うもので、5年ぶりとなります。

この改正は、2012年7月の制度実施以来様々な課題が生じたことから、制度の中身を抜本的に見直すのが大きな目的です。従来のFIT制度は、再エネの導入拡大を急ぐあまり、太陽光発電に偏重した中身となる一方、買取費用の増大が国民の負担する再エネ賦課金(電気料金に上乗せ)の増加をもたらし、その是正が求められました。

今回の改正FIT制度の施行は太陽光発電に偏った中身を改めるとともに、国民負担の抑制と再エネ導入促進の両立を図り、さらに電力自由化の成果を活かした効率的な電力取引・流通を実現するのが大きな目的です。FIT制度は、太陽光発電、風力発電、小水力発電、地熱発電、バイオマス発電の5種類の再エネ電力を対象としていますが、ここでは、太陽光発電の制度改正を取り上げます。

改正ポイントは5項目

今回の改正の大きなポイントは

  1. 新認定制度の創設
  2. コスト効率的な導入
  3. リードタイムの長い電源の導入拡大
  4. 減免制度の見直し
  5. 送配電買取への移行

の5項目です。ただし、3の場合には、太陽光発電は除外されています。

改正のポイントを順を追って説明します。

未稼働案件の増加に対応

1.新認定制度の創設はとくに太陽光発電の導入に際し、設備の認定を取得したものの電力会社への系統接続契約が遅延し、いわゆる未稼働となっている案件が急増したことを踏まえたものです。

電力会社への系統接続の遅延は、電力会社自体の再エネ受け入れ容量に一定の制約があることによるものですが、FIT制度の創設によって、太陽光発電事業に参入する事業者が急増し、いわゆる太陽光発電の“ミニバブル”が表面化したことも大きな要因です。再エネ電力の未稼働案件は、太陽光発電設備を中心に平成27年12月時点で約34万件に上っています。これは再エネの認定設備全体(約117万件)の約30%に相当します。

改正FIT制度の新認定制度では、発電事業の実施可能性が、認定判断の重要なポイントになります。具体的には、電力系統への接続契約が完了しているかどうかが要件の一つとなります。接続契約が未完了の設備は認定取得ができません。

また、すでに認定を取得している設備についても原則として新制度での認定の取得を求められます。ただし、すでに発電を開始している案件に関しては、一定の経過措置を設けることにしています。

電力会社との接続契約に関しては、すでに認定を取得した設備について2017年3月31日までに契約締結を完了していないと認定が失効します。 2016年7月1日以降に認定を取得したケースでも、認定を受けてから9ヵ月以内に接続契約を完了していなければなりません。

発電事業の計画全体も認定要件

新認定制度では設備認定だけでなく、発電事業の計画全体が認定要件となります。すなわち、太陽光発電等の設備を導入して事業を行う場合、その事業の適切な実施を確保する仕組みを導入しているかどうかが判断基準となります。

具体的には事業開始前の審査に加え「事業実施中の設備の点検・保守」や「事業終了後の設備撤去等の遵守」を求め、違反した場合には改善命令・認定取消等の措置がとられます。

設備の点検・保守等の維持管理の実施については、従来、電気事業法の規制で行われていましたが、電気事業法では出力50kW未満の設備は対象から除かれています。新認定制度では、民間ガイドライン等を参考として50kW未満の設備についても点検・保守等の維持管理を求めています。

事業の適切な実施に関しては設備設置に伴い、従来、景観や安全上のトラブルが発生している状況から事業者に認定情報を公表する仕組みを設けることにしています。 さらに自治体への事前説明や、設備設置の標識を地域住民に分かりやすく掲示することも求めています。 地域住民への事前説明は法的には特に規定はありませんが、推奨事項として事業の適切な実施・運営上、望ましいとされています。

これらの事業計画の策定は新規の認定案件だけでなく、すでに認定を取得した発電設備についても義務づけられます。
運転中の設備であっても計画の提出が必要になり、具体的には改正FIT制度が施行される4月1日から6ヵ月以内、つまり9月30日までに事業計画を提出しない場合は認定が取り消されます。

買取価格低減のスケジュールを示す

2.コスト効率的な導入というのは、買取価格の設定に際し発電事業者にコスト削減を促し、電気の利用者である国民の負担を減らすことが目的です。そのため、住宅用太陽光発電については買取価格低減のスケジュールを示し、数年先の買取価格を予め示します。具体的には、平成28年度でkWh33円(出力制御対応機器設置義務ありの場合)では、平成29年度には30円に、同30年度には28円、同31年度では26円に引き下げられる予定です。

出力10kW以上の事業用太陽光発電についても平成29年度でkWh21円が示されていますが、平成30、31年度については未定です。

出力2MW(2000kW)以上の大規模太陽光発電については、2017年度から新たに入札制度を導入し、募集容量と上限価格の範囲で低い入札価格から順に落札する方法を採用します。

4.減免制度の見直しは、現在、電力消費量の多い利用者(製造業、非製造業事業者等)に対し、賦課金を一律8割減免していますが、新たに省エネの取組状況に応じて減免率に格差を設ける方式を導入することにしています。

卸電力取引市場を通じた売買が基本

5.送配電買取への移行は、2016年4月に実施された電力の全面自由化を踏まえた対応です。

従来は、電力会社(小売り電気事業者)が発電事業者から再エネ電力を買い取る方式でしたが、改正FIT制度の施行後は、送配電事業者(電力会社の送配電部門)が買い取る形になります。小売り電気事業者は送配電事業者から電力の供給を受けて需要家に供給することになりますが、実際の電力売買は、卸電力取引所を通じた形が基本になります。

送配電事業者が発電事業者から買い取った電力を卸電力取引所に引き渡し、小売り電気事業者が取引所(卸取引市場)で買い付ける形です。そのため、小売り電気事業者は、送配電事業者の意向に関係なく、市場を通じて自由に再エネ電力を購入することができ、電力の広域的融通も促進されます。ただし、発電事業者と小売り電気事業者の間で個別契約を締結した場合には、従来と同様に両者間での電力のやり取りが可能になります。また、市場が存在しない沖縄県や全国の離島では、送配電事業者が小売り電気事業者に対して直接電力を販売します。

2030年度の再エネ比率を22~24%に

以上、改正FIT制度の施行と合わせ、卸電力取引所の活性化の促進によって、再生可能エネルギーの導入量を長期的に拡大することが可能となり、同時に再エネ賦課金を通じた国民負担の抑制にも寄与できるとみられています。

政府は現在、エネルギー基本計画の中でエネルギーミックス(望ましい電源の組み合わせ)として、再エネ比率を12%(2014年度)から2030年度には22~24%に拡大する目標を打ち出しています。それによって、欧米先進国並みの再エネ比率を実現しCO2削減の国際公約を達成しようというのが、今回の改正FIT制度施行の意義といえます。

(参考・画像引用:資源エネルギー庁「改正FIT法パンフレット」「改正FIT法に関する直前説明会」)

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