太陽光発電の低圧と高圧ってどう違う?それぞれの特徴を解説 - 土地付き太陽光発電の投資物件探しは【メガ発】

太陽光発電の低圧と高圧ってどう違う?それぞれの特徴を解説

太陽光発電の低圧と高圧の違い

2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT:Feed in Tariff)が導入され、再生可能エネルギー関連の発電所は飛躍的に増加しました。その中でも太陽光発電は、建設の手軽さやメンテナンスの容易さ、そして買取価格(売電価格)の高さから多くの人が取り組みました。最近では、太陽光発電は投資案件としても注目を集めています。

このため太陽光発電に興味を持って情報収集されている方も多いと思います。しかし、初めて太陽光発電について調べている方には専門用語がわからなかったり、制度上の制約が複雑だったりして調査が苦痛に思えることもあります。太陽光発電における低圧と高圧の違いもその一つかもしれません。

低圧と高圧の違い

例えば太陽光発電の投資物件など見ていると「低圧」と書かれた物件や「高圧」と書かれた物件があります。この低圧と高圧の違いは何でしょうか?

大雑把にいうと低圧とは発電出力が50kW未満の物件で、高圧とは発電出力が50kW以上の物件の事であります。

それではもう少し詳しく、低圧と高圧の違いについてみていきましょう。太陽光発電の低圧と高圧の違いには「電気事業法」や「電気設備に関する技術基準を定める省令」などの法律(以下、電気事業法等と呼びます。)が大きく関わってきます。電気事業法は工場などで電気を使った大型の設備などに関係する法律ですが、発電事業者にも大きく関わる法律です。

まず、電気事業法等では以下のように分類されます。

  • 低圧:交流では600V以下のもの、直流では750V以下のもの
  • 高圧:交流では600Vを超え7,000V以下のもの、直流では750Vを超え7,000V以下のもの
  • 特別高圧:交流、直流とも7,000Vを超えるもの

また、電気事業法等で太陽光発電に関係するものとして「一般用電気工作物」と「自家用電気工作物」があります。

太陽光発電に当てはめると以下のようになります。

  • 一般用電気工作物:発電出力が50kW未満で交流電圧が600V以下、直流電圧750V以下
  • 自家用電気工作物:発電出力が50kW以上で交流電圧が600Vを超え、直流電圧750Vを超える

発電出力が50kWを超える自家用電気工作物では、キュービクルと呼ばれる変圧器を設置したり、電気主任技術者を選任したりする必要が生じます。詳細は後程述べます。

つまり、これらをまとめると、太陽光発電における低圧と高圧の違いは以下の通りとなります。

  • 低圧発電出力が50kW未満で交流電圧が600V以下、直流電圧750V以下
  • 高圧発電出力が50kW以上で交流電圧が600Vを超え、直流電圧750Vを超える

ここまで厳密に覚える必要はありませんが、50kW未満か以上かで低圧か高圧かが分かれるということは覚えておいてください。

発電出力について

太陽光発電における発電出力は、太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナーの合計出力のいずれか小さい方になります。

メガ発に掲載している物件で見てみますと

物件名に「超過積載120kW」とあるため「高圧」と判断しそうですが、下部詳細の赤枠箇所を見ますと

  • パネル総容量:120kW
  • パワコン総容量:49.0kW

とありますので最終的な発電出力は49.0kWとなり、「低圧」の太陽光発電所だということがわかります。

もう少し厳密に説明しますと

ただ、パワーコンディショナーを複数台設置している場合の出力については、各系列における太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナーの出力のいずれか小さい方の値をそれぞれ合計した値となります。


(引用:経済産業省 資源エネルギー庁「太陽光発電設備の発電出力の考え方について」)

  系列1 系列2 系列3
パワーコンディショナーの出力 5.5kW 4.0kW 5.0kW
太陽光パネルの出力 5.0kW 4.5kW 6.5kW

上記太陽光発電システムの場合は、赤文字の値の合計:14.0kWとなります。

低圧のメリット・デメリット

まずは50kW未満の低圧のメリットから見ていきましょう。

低圧太陽光発電のメリット

  • 手軽に始められる。
  • 設備の総費用が抑えられる
  • 比較的狭い土地に建設できる
  • キュービクル(変圧器)設置不要
  • 管轄消防署等へ保安規程の届出不要
  • 電気主任技術者(要国家資格)の選任不要
  • 第二種工事士よる作業可能

初めて太陽光発電所を建設するなら低圧がお勧めです。上記の様に様々な手続きが不要で高額なキュービクル(変圧器)の設置も不要なため、総費用を低く抑えることが可能です。そのため、太陽光発電事業に参入しやすいというメリットもあります。

低圧太陽光発電のデメリット

  • 1kW当たりの建設費用が高くなる
  • 安い土地を探すのが困難である
  • 総費用に対する土地代の影響が大きくなる
  • 大規模の太陽光発電を低圧に分割すると管理が煩雑になる

例えば1MWの太陽光発電所を建設するのと50kWの太陽光発電所を建設することを比較してみましょう。1MWの太陽光発電所を建設する場合、250Wのソーラーパネル40,000枚、500kWのパワコン(パワーコンディショナー)2台が必要になります。一方50kWの太陽光発電所を建設する場合、250Wのソーラーパネル200枚、10kWのパワコン(パワーコンディショナー)5台が一般的になります。

太陽光発電設備も工業製品ですから数が増えれば単価は安くなります。さらに工事費も1MWの太陽光発電所を建設する方が、50kWの太陽光発電所20箇所を建設するより効率が良くなるため単価は安くなります。

また、大規模な太陽光発電所を建設する場合広大な土地が必要ですが、この様な広大な土地は地目が山林や原野などが多く、坪単価は安くなります。一方50kWの太陽光発電なら約300坪の土地で建設可能ですが、この様な土地は地目が宅地のものが多く坪単価は高くなります。このため300坪程度の安価な土地を探すのは結構困難となります。

現在は低圧に分割することは禁止

最後に分割案件ですが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まった際は、500kW規模の太陽光発電を建設できる土地を分割して、50kWの太陽光発電を10個建設することが可能でした。こうすることにより全ての発電所が低圧扱いとなり、キュービクルの設置や電気主任技術者の選任が不要となるからです。

しかし、現在は本来発電事業者が負担すべきキュービクルの設置の代わりに電力会社が社内の設備を整備する必要が生じるなど、不公平であるとの観点から平成26年度4月1日以降、分割案件は出来なくなっています

現在投資物件で低圧の分譲物件のほとんどはこのような再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まった初期に認定手続きを取った案件です。この様に分譲物件として販売する場合は良いのですが、本来500kWの発電設備を50kW10個の発電設備として管理する場合、管理が煩雑となります。

高圧太陽光発電のメリット・デメリット

次は50kW以上の高圧のメリットについて見ていきます。

高圧のメリット

  • 1kW当たりの建設費用が安くなる。
  • 管理が一括で行える
  • 投資利回りが高くなる
  • 売電収入が大きくなる
  • 企業であれば会社のイメージが良くなる

太陽光発電に関するある程度の知識があり、大規模太陽光発電所を建設するなら高圧の方がお勧めです。スケールメリットにより建設費の単価が安くなり、売電収入も大きく、投資利回りも高くなります。さらに大規模の太陽光発電所を運営していることをアピールすることにより環境に優しいイメージを強調することが可能です。

高圧太陽光発電のデメリット

  • 管轄消防署等への保安規程の届出と電気主任技術者の選任の義務が発生する
  • 高額なキュービクル(変圧器)を設置する必要がある
  • イニシャルコストが高くなる
  • メンテナンス費用などランニングコストが高くなる
  • 第一種工事士よる作業が必要となる

まず、メガソーラー規模の太陽光発電所を建設する場合、億単位の建設費用が必要となります。潤沢な資金があるか、億単位の融資を受けられるだけの信用がなければ大規模な太陽光発電所は建設できません。さらに、規模が大きくなればメンテナンスなどのランニングコストも高く、その分の経費も考慮に入れておく必要があります。

さらに電気主任技術者を選定する場合、電気主任技術者になる人は国家資格を必要とします。大会社であれば社員に資格を取らせたり、資格を持つ人を採用したりできますが、個人や零細企業であれば自分で資格を取る必要があるかもしれません。

デメリットの最後に考えなければならないのが、100kW未満の規模の高圧設備についてです。この規模であれば50kW未満の低圧の太陽光発電所を検討された方が良いと思います。

理由は100kWの高圧であればキュービクルを発電事業者が設置する必要がありますが、キュービクルは高額なため建設費用が高くなり、1kW当たりの設備費が50kWの低圧より高くなる可能性があるからです。小規模の高圧発電所を建設する場合は検討が必要です。

パネル過積載という方法もある

最後に過積載という方法について説明します。

低圧と高圧を区別する発電出力を決める際、二つの要因を考慮に入れる必要があります。一つがパワコンの容量でもう一つがソーラーパネルの出力です。

低圧として認定してもらうには二つの方法があります。一つ目が50kW以上の容量のパワコンに50kW未満のソーラーパネルを接続する方法です。もう一つが50kW未満の容量のパワコンに50kW以上のソーラーパネルを接続する方法です。現在の低圧の太陽光発電所のほとんどが後者です。

そして、パワコンの容量以上のソーラーパネルを接続することを「過積載」と呼んでいます。

ここで、「パネルの出力が50kW以上だと高圧になるのでは?」と疑問を持った方もいらっしゃるでしょう。太陽光発電設備の出力はパワコンとソーラーパネルのいずれか小さい方となります。つまり、ソーラーパネルが50kW以上でもパワコンが50kW未満であれば、低圧になるということです。

それではなぜ過積載するのでしょうか?一言でいえば売電量を増やすためです。もう少し言えば、投資利回りを上げるためです。では、過積載するとなぜ売電量が増えるのか、投資利回りが上がるのか考えていきましょう。

「過積載」が必要な理由

御存知のようにソーラーパネルは太陽光がパネルに垂直に照射されたときに最大の発電をします。北緯30度の土地に傾斜角30度でソーラーパネルを設置すれば、春分の日と秋分の日の正午に太陽光がソーラーパネルに垂直に照射されます。

例えば10kWの容量のパワコンに10kWのソーラーパネルを接続していれば、正午に10kWの出力となります。しかし、それ以外の日や時間はどうでしょうか?常に10kW未満の出力しかでません。そこで考えられたのが過積載です。

10kWの容量のパワコンに12kWのソーラーパネルを接続すれば、春分の日と秋分の日前後の正午付近何時間かは出力が10kWになります。しかし、10kW未満の出力しかしていなかった日や時間は2割増しの発電をしていることになります。例えば5kWしか出力していない時間には6kW出力し、8kWしか出力していない時間は9.6kW出力することになります。

つまり、過積載することで年間の総売電量は増えることになります。この時パワコンの容量は一定の為、ソーラーパネルを増やすだけで売電量が増えることになります。よって、低い初期投資で売電量が増えることになり、投資利回りも上がることになるのです。

まとめ

太陽光発電の低圧と高圧の違いについて説明してきましたが、お分かりになっていただけたでしょうか? 低圧と高圧の違い、メリット・デメリットを良く理解して太陽光発電事業に参入してみてはいかがでしょうか?

過積載に関して更に詳しく知りたい方はこちらの記事もごらんください。

パワコンよりも容量の多いパネルを設置する「過積載」太陽光発電とは?

監修

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メガ発事務局 太陽光アドバイザー

曽山

『誠実、スピーディーな応対』をモットーに、日々運営しています。お客様への応対だけでなく、全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、セミナーの企画、ウェブサイトの改善など、お客様のお役に立てるよう、日々業務に取り組んでいます。お困り事がありましたらメール、お電話にていつでもご連絡下さい。

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