太陽光発電の出力抑制(出力制御)とは?対象やルール、保険について - 投資用土地付き分譲太陽光発電の物件探しは【メガ発】

太陽光発電の出力抑制(出力制御)とは?対象やルール、保険について


2016年12月5日公開 (2018年11月09日更新)

出力抑制とは?

平成27年1月(2015年1月)の固定価格買取制度改正に伴い、出力制御のルールが改定され従来の「500kW以上の設備」に限定されていたものが「家庭用を含む500kW未満」にまで適用範囲が広がり、また日数も「年に30日」から「年に360時間(太陽光)/720時間(風力)」という新しいシステムに移行することになりました。

ここでは、太陽光発電投資のリスクともなり得る「出力抑制(出力制御)」とはどのようなものなのか、リスクはどのくらいあるのかについて解説していきます。

2018年10月13・14日に九州電力管内で離島以外への出力抑制が実施されました。
メガ発では九州に本社がある太陽光発電の販売施工店に抑制の実態についてインタビューをおこないました。かなり具体的な内容なってますので、抑制対象エリアに物件を所有・これから所有を考えている方も是非ごらんください。

九州電力エリアで出力抑制!太陽光発電の販売店に出力抑制の実情を聞いてみた。

太陽光発電の出力抑制(出力制御)とは

太陽光発電の出力抑制とは電力会社が太陽光発電設備等の電力系統への接続を制限する事を指します。

よく誤解されることとして、太陽光発電などの再生可能エネルギー由来の電力が必要でなくなった。というわけではなく、更に多くの電力を受け入れるための電力需給調整を目的としておこなわれています。

出力抑制の必要性

出力抑制が必要な理由を簡単に説明すると、電力の需要と供給のバランスをとるためです。

例えば、春と秋は夏と冬に比べてエアコンを使う機会が減少します。
これは「電力消費量が減少 = 電力の需要も減少」するため、需要と供給のバランスを取る必要性がでてきます。

基本的に電気は貯蔵できないため、需給バランスを保つためには「供給量の調整」つまり発電量の抑制・制御が必要になります。このバランスが崩れると一定の周波数を保てなくなり、最悪の場合、大規模停電が発生する恐れがあります。

以下では電気の流れを蛇口と水槽でわかりやすく解説しています。

電気の流れはしばしば、水の流れに例えられることがあります。

水を電力としますと、上部蛇口(発電所)から水槽(電力系統)に水が貯まり、底にある排出蛇口から事業所(電力消費者)へ水が流れ出ていると考えてください。

output_control_02

(画像:大一ガス「安定供給の仕組み」より)

この時、上部蛇口からの水が少ない場合は下部蛇口へ流れる水が不足し、また、上部蛇口からの水が多すぎる場合は水槽から水が溢れ出てしまいます。

出力抑制が必要な状況は後者にあたり、供給過多によりバランスを崩した電力の流れは、変電所へのダメージや逆流することによって大規模な停電引き起こす恐れがあります。

太陽光発電の抑制が必要になる理由

太陽光発電はその性質から、太陽光が当たれば自動的に電力を生み出してしまいます。これは太陽光発電の大きなメリットではありますが、下図の様に、昼間の電力需要が下がった時間帯に太陽光発電のピークがきてしまうと、火力発電の制御だけでは需要を供給が大きくオーバーしてしまいます。

そのため太陽光発電で発電した電力を一時的にパワーコンディショナーから電力会社の電力系統に流れないように抑制する必要があるということです。

太陽光発電の出力抑制がかかる順番・タイミングとは

出力抑制には他のさまざまな発電力も考慮して順番が存在します。

具体的にどの様な順番になるのか、経済産業省資源エネルギー庁の資料、電力広域的運営推進機関の送配電等業務指針を基に見てみましょう。

発電設備の故障、需要予測・発電予測などで、電力会社管内の電力が供給過剰と見込まれる場合

  1. 電力会社が調整力として予め確保した発電機の出力抑制、及び揚水運転
  2. 電力会社からオンラインで調整ができる発電機の出力抑制、及び揚水運転

上記対策を講じた上でも供給過多が生じる恐れがある場合

  1. 電力会社からオンラインで調整できない火力電源等の発電機の出力抑制、及び一般送配電事業者からオンラインで調整できない揚水式発電機の揚水運転
  2. 長周期広域周波数調整
    ・連系線を介して他電力会社区域への供給により下げ調整
  3. バイオマス専焼電源の抑制
    ・地域資源バイオマス発電を除くバイオマス専焼発電の出力抑制 
  4. 地域資源バイオマス電源の出力抑制
  5. 自然変動電源の出力抑制
    太陽光発電、風力発電の出力制御
  6. 電力広域的運営推進機関による措置
  7. 長期固定電源の出力抑制
    ・原子力・水力・地熱発電の抑制

(参照:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック」)
(参照:電力広域的運営推進機関「送配電等業務指針 / 業務規程」)

このように太陽光発電は風力発電と同じく5番目に出力抑制がかかることになります。

原子力発電所の再稼働がニュースでも取り上げられる中、太陽光発電を含めた再生可能エネルギー発電が原子力発電よりも先に出力抑制になることを疑問視する声も耳にします。 太陽光発電の出力抑制問題というのは、単にその地域の電力会社の都合だけではなく日本の電力系統システムの問題ともいえます。

2016年4月に小売が全面的に自由化され進展する「電力自由化」では、最終的に既存の電力会社による垂直的な地域独占を撤廃し電力網を全エリア連結することを目的としています。 ですので、将来的には各エリアによる出力抑制というものがなくなる可能性があります。

出力抑制の対象となる太陽光発電所は?出力抑制のルールとは?

ひとえに出力抑制といっても、太陽光発電所は全国各地にあります。 ここではどういった太陽光発電所が対象になるのか、冒頭でも述べた「平成27年1月(2015年1月)の固定価格買取制度改正」による出力抑制の新ルールも交えてみてみたいと思います。

出力抑制の新ルール3つのポイント

500kW以上の太陽光発電設備としていた出力制御の対象を500kW未満へ拡大

従来、500kW以上の太陽光発電所が対象だったものが、500kW未満まで範囲が拡大されました。このことにより住宅用の太陽光発電も対象になります。

ただ、住宅用の太陽光発電に関しては優遇措置がとられます。 資源エネルギー庁のよくある質問によると、「10kW以上の出力抑制を先行させ、10kW未満の太陽光発電に関しては抑制を行なわざるを得ない場合においても、余剰売電分を制御の対象とすること」としています。

(参照:経済産業省 資源エネルギー庁「よくある質問 / 20171013更新FAQ」)

年間30日までとしていた補償なしの出力制御期間が年間360時間を上限または無制限に変更

従来、500kW以上の太陽光発電設備に対して年間30日を上限とした無補償の出力抑制だったものが『年間360時間を上限』または『無制限』で出⼒抑制を要請できるルールに変更となりました。

出力制御を行うため遠隔出力制御システムの導入を義務付け

時間単位の細かい出力抑制を実施する際に必要となる「リアルタイム制御指示器や制御機能付きパワコン」など、抑制実施に対応した機器の導入が義務付けられました。

電力会社エリア毎の出力抑制表

地域により系統状況が異なることから出力制御の適用要件は電力会社エリアによって異なります。 東京・中部・関西電力を除く電力会社エリアでは「全接続申込量 > 接続可能量」となっており、新規接続に関しては「新ルール or 指定ルール」が適用されることになります。

東京電力 / 中部電力 / 関西電力
10kWまで 10~50kW 50kW~500kW 500kW以上
東京電力
中部電力
関西電力
出力制御の対象外 2015年4月1日以降の申込案件は新ルール 2015年1月26日以降の申込案件は新ルール
北陸電力 / 中国電力
10kWまで 10~50kW 50kW~500kW 500kW以上
北陸電力
中国電力
2015年4月1日以降の申込案件は新ルール、接続可能量超過後は指定ルール 2015年1月26日以降の申込案件は新ルール、接続可能量超過後は指定ルール
四国電力 / 沖縄電力
10kWまで 10~50kW 50kW~500kW 500kW以上
四国電力
沖縄電力
2015年4月1日以降の申込案件は新ルール、接続可能量超過後は指定ルール 2015年1月26日以降の申込案件は新ルール、接続可能量超過後は指定ルール
北海道電力 / 東北電力 / 九州電力
10kWまで 10~50kW 50kW~500kW 500kW以上
北海道電力
東北電力
九州電力
2015年4月1日以降の申込案件は指定ルール 接続可能量超過後は指定ルール

旧ルール = 30日を上限に出力を制御
新ルール = 360時間を上限に出力を制御
指定ルール = 無制限・無補償の出力制御

出力抑制を区分とエリアでわかりやすくまとめると、

低圧:東京、中部、関西電力管内は対象外
高圧:全ての電力管内が対象

といった形になります。

特に指定ルールが適用されるエリアは「無制限・無補償の出力制御」を受けることになりますので、太陽光発電の新規導入を阻害することは明らかです。 こうした不公平感を払拭するために、経済産業省は「公平な出力制御の在り方」として以下3点の制度整備を検討しています。

  1. 公平な出力制御について
    • 出力制御の上限について、年間30日(日数制御)、年間360時間又は年間720時間(時間制御)、指定電気事業者制度の下での出力制御のルールが規定されているが、同一のルールで接続する再エネ発電事業者は均等に出力制御を行うようにする。
    • ただし、全ての電源が結果において均等に出力制御されない場合も、手続上の公平が確保されている限りにおいて、公平性に反することとはならないものとする。
  2. 各ルールの下で接続する再エネ発電事業者間の公平性について
    • 日数制御が適用される再エネ発電事業者、時間制御が適用される再エネ発電事業者及び指定ルールが適用される再エネ発電事業者間の公平性の観点から、全体の出力制御量がそれぞれの出力制御の上限(年間30日、360時間又は720時間)に達すると見込まれるまでの間は、全ての発電事業者に対して公平に出力制御を行うことを基本とする。
    • ただし、今後再エネ接続量の増加に伴い、時間制御の発電事業者や指定ルールで接続する発電事業者の出力制御量が増加することが見込まれるため、日数制御の発電事業者の上限に達するまでの間は時間制御の発電事業者や指定ルールが適用される発電事業者の出力制御量が少なくなるように出力制御することも公平性に反することとはならないものとする。
    • また、指定ルールが適用される再エネ発電事業者に対して年間30日等の上限を超えて出力制御を行う場合には、公平性の観点から、日数制御及び時間制御が適用される再エネ発電事業者には可能な限り上限まで出力制御を行うこととする。
  3. 住宅用太陽光発電について
    • 住宅用太陽光発電以外の自然変動電源の出力制御を行った上で必要な場合に、出力制御を行うものとする。

(引用:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック」)

太陽光発電事業者にとって出力抑制のデメリット・投資リスクとは

では実際に出力抑制が実施された場合、どんなデメリットがあるのか考えてみます。

  • 実際に抑制が実施されると収入が下がる。
  • 安定した収益を見込めない = 投資リスクが高まる。
  • 場合によっては融資が通りにくい。
    Etc…

しかし、出力抑制があるということは日本のすべての発電力系統システムが過剰に発電して、1番目から4番目まで出力抑制をおこなっても需要を供給が超えると判断した場合です。

このことから、頻繁に出力抑制がかかるということは考えにくいでしょう。もし万が一、出力抑制がかかったとしても一時的なものなので、大きな損失には至らないと考えられています。

そのため、投資として成り立たなくなるといった大きなリスクではないと言えるでしょう。

では、実際のところ本当に今後出力抑制がかかり、収益に影響することはあるのでしょうか。
また、こうした抑制案件に対する対策はあるのでしょうか。

出力抑制が実行される可能性と対策について

太陽光発電への投資として出力抑制があれば安定した収益を見込めなくなる、または投資リスクが高まるという不安があります。もちろん出力抑制があれば収入が減ってしまうことはあります。しかしだからと言って投資のリスクが高まるというわけではありません。

実際にあった太陽光発電の出力抑制を参考にしてみましょう。

平成28年12月時点で出力抑制が実際に実施されたのは九州電力管内の離島電力、種子島と壱岐でした。つまり離島という特殊な事情で太陽光発電の出力抑制があったのです。

しかもいずれも4月の9時から16時という時間帯だったので、1年のうちのたった1日だったというわけです。本件に対して今後、電力の広域的運営推進機関によって細かい検証が必要とされるので、繰り返しになりますが、現在では当たり前に出力抑制をするというわけではありません。

平成

(引用:九州電力「プレスリリース」)

では、今後の出力抑制に対してはどのような予想がされているのでしょう。

今後の出力抑制について、太陽光発電協会(JPEA)事務局長・鈴木氏の見解
〈一部抜粋〉

実際には、原発はある程度、時間をかけて徐々に再稼働していきます。太陽光発電も、「接続可能量」が一気に導入されることはなく、年ごとに徐々に増えます。

加えて、電力システム改革が始まれば、電力会社のエリアを超えた系統の広域運用が本格化し、東京電力、中部電力、関西電力の「中3社」の大きな電力系統を活用できるようになります。

つまり、接続可能量を超えて、「無補償・無制限の出力抑制」の条件で系統に接続したとしても、大幅に出力抑制されるとは考えられません。

参照:「無制限・無補償の出力抑制を無用に恐れない」、太陽光発電協会(JPEA)事務局長・鈴木氏に聞く,メガソーラービジネスhttp://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150115/399061/?ST=msb

出力抑制条件が次第に厳しくなっている中で、それだけを切り取ると実際に今後、10kw以上の太陽光発電システムを運営するのは難しいと捉えてしまいがちですが、これまでの実施状況や鈴木氏の見解を見ると、実際のところ出力抑制がどれだけ実施されるのか、どれだけ重要視しなくてはならないポイントなのかということは、いささか判断が難しいのが実情です。

出力抑制の対策案「出力抑制保険」

太陽光発電の出力抑制が強まると出てくる影響が投資家に対する銀行や金融機関からの融資問題です。現金で太陽光発電を購入できる投資家にとっては関係ないですが、融資を受ける場合は出力抑制の問題はマイナスに働いてしまいます。

こうした中で現在では出力抑制に対する保険が生まれており、これに加入することで旧ルールの地域と変わらないくらい安定した収益を見込むことが可能となりました。 また、一部の出力抑制エリアによっては『出力抑制保険に入っていれば、金融機関からの融資が下りやすくなる』こともあります。

2018年は全国的に地震や台風といった自然災害が多く、出力抑制のかかる九州電力管内では噴火のリスクも考えられます。 出力抑制保険は電力会社の出力抑制だけでなく、自然災害もある程度のレベルまで保険でカバーできるため、リスクヘッジが評価されることで銀行や金融機関からの融資が有利に働くこともあります。

現在の出力抑制への見解

太陽光発電の出力抑制というと投資家にとってマイナスイメージしか生まれませんが、ほかの発電力系統システムとの関係性、さらに出力抑制された地域性、日数や時間帯などを考慮して考えていけば、20年の売電期間の間、一度も制御されない可能性も十分にあります。

狙い目の物件もあり

また、出力抑制対象の物件の中には、日照条件は良いのに「抑制対象」というだけで、なかなか人気が出ずに値引きされた物件も販売されています。値引きされているということは、利回りアップを意味しているため、意外と狙い目かも知れません。

保険があるので安心

前述しましたが、土地付き太陽光発電の場合は出力抑制保険がセットになっていることも多く、それほど心配する必要はないでしょう。出力抑制保険に入っていると銀行や金融機関からの融資が下りやすくなることもあります。

太陽光発電のこれまでの動向と、これからの動向を細かくシュミレーションした上で投資に向いているかどうか検討するといいでしょう。

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