九州電力エリアで出力抑制!太陽光発電の販売店に出力抑制の実情を聞いてみた。
※本ページは2018年10月に掲載した記事となります。
2018年10月13日に九州地方(種子島など離島を除く)で全国初となる、九州電力による太陽光発電に対する出力抑制が実施されました。九州電力の資料によると10月13日は約62万kWhの電力を抑制したそうですが、実際どの発電所にどのくらい損失が出たのかはわかりません。
そこで今回、出力抑制事情に詳しい、九州に本社がある太陽光発電の販売施工店に突撃インタビューを実施しました!
2018年10月13日(土)に出力抑制がかかりました。
いえ、通知はありませんでした。というのは、旧ルールの高圧以上の太陽光発電所については九州電力から電話かメールで通知があるそうなんですけれども、弊社で管理している新ルール、指定ルール対象の太陽光発電所については自動で出力抑制がかかるとの事でした。低圧については、弊社は出力抑制制御付のパワコンを使用しているので、事前に通知は来ませんでした。
つまり、制御器がついてない太陽光発電所については九州電力から事前に連絡がくると?
そうです。自動で出力抑制ができない太陽光発電所については手動で止めに行かなければならないので。
電力会社から出力抑制実施に関する通知は太陽光発電事業者(オーナー)に連絡が行く形ですか?それとも太陽光発電所を管理している業者へ連絡が入る流れですか?
電力会社から太陽光発電事業者に連絡が行きます。ただし、これは先ほどもお伝えしたように、手動で出力抑制を実施する場合のみです。出力抑制装置が付いてる太陽光発電所については、電力会社からの通知はいきません。
出力抑制がかかる順番に旧ルール、新ルール、指定ルールは関係ある?
出力抑制には旧ルール、新ルール、指定ルールの3パターンがありますが、出力抑制がかかる順番はありますか?
いえ、特に順番は関係無いと思います。
そうなのですね。個人的には旧ルールが優遇されるというか、新ルール、指定ルール対象の発電所が先に出力抑制を実施して、その後に旧ルールの太陽光発電所に対して抑制がかかるイメージを持っていたのですが、全くそういうわけではないという事ですね。
正直なところ、旧ルールの太陽光発電所を管理していないので何とも言えないのですが、特定のエリアで低圧、高圧関係なく出力抑制が同じ日に一斉に掛かっているので、出力抑制がかかる順番は関係ない可能性が高いです。出力抑制を避ける為には市街地に近い方がいい、市街地から離れているところがかかりやすいといったウワサはありますが、そういう事はないのかなといった印象ですね。公平性を維持するために出力抑制は輪番で掛かって行くのではないかと思っています。
出力抑制で〇〇円の損失が出た
今回の出力抑制で実際にいくらくらいの損失が出ましたか?
実際に制御器の監視データの数値を元に計算すると、厳しめにみて1日につき3,000円前後の損失が出たのではないかと思っています。
1日3,000円の損失ですか。この3,000円というのは、発電所の規模はどのくらいですか?
パワコン49.5kWの太陽光パネルは70kW前後ですね。
FIT単価はおいくらですか?
FIT36円ですね。
なるほど。出力抑制の実施時間について先日伺った話ですと、お昼の11時半~13時半の間で約50%の出力抑制が掛かったそうですね。
太陽光発電所の場所によって若干のバラツキがありますが、発電量を最も稼げる時間帯に出力抑制が掛かった形ですね。
でも毎日出力抑制がかかるわけではないですよね?
そうですね。輪番で掛かるようなので、10月13日以降、弊社が管理している太陽光発電所で出力抑制は実施されてないですね。ですから、順番に出力抑制が掛かってくるのは間違いないと思います。
13日以降、出力抑制は一度もかかっていないのですか?
そうです。恐らくエリア毎に順番で掛けていくのではなかろうかと思います。
頻繁に出力抑制が掛からないかつ損失額が3,000円/日くらいであれば、出力抑制はそんなに気にしなくてもいいかもしれないですね。
出力抑制の実施はまだ始まったばかりなので、これからの状況がどのように変化していくかを注視していく必要はありますが、現状としてはこのような状況です。
出力抑制保険を付帯する必要はあるのか?
出力抑制の売電損失が微々たる金額であれば、太陽光発電所に出力抑制保険をかける必要はあまりなさそうですね。その点についてはどのようにお考えですか?
そうですね。今後の状況にもよるのでなんとも言えないところもありますが、低圧太陽光発電所は年間で数時間~数日程度しか出力抑制がかからないのであれば、出力抑制保険は必要ないかもしれないですね。
そうですよね。ただ土地付き太陽光発電所を銀行融資で購入する場合、各金融機関によって対応は異なるかもしれませんが、出力抑制保険が付いているか付いていないかで、融資の審査に影響が出てくるみたいですね。
そのようですね。金融機関によって見解は違うと思いますが、出力抑制保険がついていれば、金融機関の担当者も安心する顔を見せてくれるかもしれないですね。笑
九州の土地付き太陽光発電所は狙い目?
メガ発で取り扱っている九州の土地付き太陽光発電所は表面利回りが11%を超える物件などもあるので、売電収入に出力抑制の影響が差ほどないのであれば狙い目ですよね?
そうですね。九州は日照もいいので、狙い目だと思います。
九州でここの日照はかなりいいといったエリアはありますか?
どうでしょうねぇ・・・まぁ特にどこもあまり変わらないんじゃないかなと思いますね。(笑)
今後、出力抑制は頻繁にかかるのか?
これから電力の需要が夏と冬に比べてあまりない、春と秋に出力抑制の実施が集中するものと想定されますが、御社は出力抑制が今後頻繁にかかるとお考えですか?
春か秋には頻繁に出力抑制はかかるとは思っていますけれども、先ほども申し上げたように輪番で出力抑制はかかってきますから、九州の太陽光発電所を1基、2基持ったところでそんなに影響はないのかなと思っています。
順番でかかるというのは九州電力側が決めているのですか?
公平性を保つという意味で、出力抑制は順番にかかるものと認識しています。
なるほど。そして春と秋にかかるとしても、電力の需要が少ない土日祝に実施がメインになってきますか?
土日はかかると思います。
平日はかかりませんか?
工場なども稼働してますし、平日に出力抑制がかかるとはあまり思っていません。なので、出力抑制が利回りに大きく影響してくるとは思ってないですね。
2018年11月に出力抑制はかかりますか?
今度の土日(11月10日、11日)に出力抑制がかかる可能性ありとなっていますが、実際に管理している発電所にはかからないんじゃないかと思いますね。
出力抑制が掛かるか掛からないかはどのようにしてわかりますか?
九州電力の『でんき予報』 で出力抑制がどのくらいかかるか確認できますよ。
本日はありがとうございました。
出力抑制について取材をしてみて思ったこと
九州電力による出力抑制はまだ始まったばかりなので、これからどのような動きになっていくかわかりませんが、今のところ『出力抑制エリア=太陽光発電投資の対象外』と決めつけてしまうのは少しもったいない気がしました。
報道では『最大規模の出力抑制』などと謳い、九州の太陽光発電所に投資をするのはリスクが高いと捉えても仕方のないことでしょう。
しかし、いざ最前線の方にお話を聞いてみると、今のところ出力抑制による売電損失の影響はあまりないとの事でしたので、出力抑制に対してあまり過剰に反応しなくていいのかもしれません。
取材の最後にありました、九州電力の『 でんき予報』は以下のURLからご確認いただけます。
【PC版】でんき予報について、詳しくはこちらをご覧ください。
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【モバイル版】でんき予報これからも突撃インタビューを随時敢行していきます!
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ついに九州電力が太陽光発電所の出力抑制に踏み切りましたね。御社では数十サイトの太陽光発電所を管理されているそうですが、九州電力から出力抑制の実施について事前に個別での通知はありましたか?