太陽光発電投資と不動産投資を様々な観点から徹底比較!
ここでは不動産投資と太陽光発電投資を徹底比較してみましょう。
不動産投資といってもいろいろありますが、ここではポピュラーな不動産投資賃貸を想定して話を進めていきたいと思います。
目次
- 1 ライバル対決「太陽光発電投資 VS 不動産投資」8勝2敗で〇〇の勝ち
- 1.1 物件選定という入口が難しい不動産投資と簡単な太陽光発電投資
- 1.2 競争が激しい不動産投資とそうでもない太陽光発電投資
- 1.3 個別性の高い不動産投資と再現性の高い太陽光発電投資
- 1.4 キャッシュフローが意外と読みづらい不動産投資と安定している太陽光発電投資
- 1.5 出口を迎えないと投資の成功が見えづらい不動産投資と出口戦略が関係ない太陽光発電投資
- 1.6 融資の可能性の高い太陽光発電投資
- 1.7 消費税還付スキームが使える太陽光発電投資
- 1.8 事業リスクが保険でカバーされる太陽光発電投資と排除できない不動産投資
- 1.9 融資が伸びやすい不動産投資と伸びにくい太陽光発電投資
- 1.10 節税スキームありの不動産投資と純粋利回り投資の太陽光発電投資
- 2 まとめ
ライバル対決「太陽光発電投資 VS 不動産投資」8勝2敗で〇〇の勝ち
物件選定という入口が難しい不動産投資と簡単な太陽光発電投資
不動産投資は立地がすべてといってもいいほど、とにかく場所が重要になってきます。
ワンルームマンションでもアパート投資でも、その場所での賃貸需要を長期間にわたって見極める必要があるのです。ところが、地の利のある場所ならいいのですが、知らない土地でそれを判断するのはなかなか難しいものがあります。また、不動産投資業界というのは良い物件ほど業者が先に取ってしまい、一般投資家がお宝物件を入手できる可能性が低いのが現実です。
それに対し太陽光発電投資の物件選びは、もっともっとおおらかです。
基本条件は「南に開けた日当たりのいい場所」で「周りに人が密集していないところ」。 幸いこの条件を満たす土地は日本全国どこにでもあります。
競争が激しい不動産投資とそうでもない太陽光発電投資
不動産投資は、多くの人が参加している超激戦のレッドオーシャン市場です。
物件は1点物ですから、いい物件がマーケットに出てきたら壮絶な取り合いが始まります。 何千万という買い物を瞬時に決断し、買付証明を出すときの緊張感は半端ありませんね。
一方、太陽光発電投資の方はどうでしょう??
そこまで競争は激しくありません。それは参加している投資家が少なく、物件の希少性も低いからです。この差は大きく、太陽光発電投資であれば投資家がいい物件を仕込める可能性がそれだけ高まるわけです。
個別性の高い不動産投資と再現性の高い太陽光発電投資
大きな本屋さんに行くと、不動産投資本が棚に並んでいます。タイトルを見ていくと「〇〇式投資法」というようなノウハウものが多くないでしょうか?
これはどういうことかというと不動産投資の成功は個別性が強いということなんです。
つまり、投資家それぞれ、物件それぞれで、成功の方程式の解が変わってくるということです。 ですから、そういったフレーズを鵜呑みにして投資を始めるとひどい目にあってしまうかもしれません。
それに対し太陽光発電投資の再現性の高さは抜群です。
日本全国、基本条件さえ整っていれば誰がやってもほぼ同じ結果が出ます。
キャッシュフローが意外と読みづらい不動産投資と安定している太陽光発電投資
不動産投資賃貸を実際にやってみるとわかるのですが、入居者の退去というのは結構短いサイクルで出てきます。
単身世帯が中心の物件ですと、尚更そのサイクルは早まります。そして、退去するたびにクロスの張り替えやクリーニング費用が発生します。 最近では賃貸の供給過多から、数か月の空室期間も珍しくない状況です。
これに対し太陽光発電投資発電は、お天気さえよければ毎日、売上がたちます。
つまり、空室リスクがゼロ。 毎月の日射量は季節によって違い、また年によっての多少の変動もありますが、年間を通せば乖離幅はシュミレーションの5%前後ぐらいに収まるのが普通です。 こういった投資は他にないといえます。
出口を迎えないと投資の成功が見えづらい不動産投資と出口戦略が関係ない太陽光発電投資
不動産投資は最終的に出口を迎えて収益率が確定し、成功したかの判断が下される投資です。
簡単に言うと最後に物件がいくらで売れるか?ここにかかっていたりします。
場合によっては、建物の時価というのは減価償却以上のスピードで下落していきます。
いや、建物はそうであっても、土地値以下には下がらないからという反論の声があがるかもしれませんが、今度はここに市況や金利動向というマーケットリスクがからんできます。
不動産投資不況やバブル崩壊のようなタイミングでは、売却の際に大幅な値引き要求がくることでしょう。
一方の太陽光発電投資の場合ですが、買取期間終了の20年後には償却済みで簿価ゼロの発電システムと、200~300万の土地だけが残ることになります(土地賃貸型であれば何も残らない)。 つまり、不動産投資のようにそもそも資産性のあるものが残っていないので、出口戦略はほとんど関係ないことになります。
そのまま売電を続ければ、それはおまけみたいなものですし、買取期間終了のタイミングで撤退してもいいでしょう。 初期投資は既に回収済みなので、投資の成否に出口は関係しないのです。
融資の可能性の高い太陽光発電投資
初めての発電所購入では、信販会社の提供するソーラーローンが使える可能性が高いです。このソーラーローンは、太陽光発電投資発電事業用に商品設計が組まれているので、より広い属性の方に適用することができるようになっています。
公庫や地銀のようなところから融資が引き出せなかったときに、金利は多少高くなるものの、融資可能性の高いソーラーローンが控えているというのは心強いものです。
不動産投資も、例えばアパートローンのように、賃貸収入を返済原資とした事業性のローンがありますが、融資枠や金利など、案件毎で融資条件が異なってきますのでソーラーローンほど定型的な商品ではありません。
消費税還付スキームが使える太陽光発電投資
個人投資家の場合、太陽光発電システムの購入に支払った消費税を還付するスキームがあります。
野立て分譲物件ですと、システム価格が2000万クラスのものが多いのですが、ここにかかった消費税160万(2000万 X 8%)を還付してもらえるメリットはやはり大きいです。
これを行うためには、税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出し一度課税業者になります。
その後3年間は、売電により発生した収入に対する消費税を支払うことになりますが、3年後に課税業者から非課税業者にステータスを変更することによって、その後は消費税を払わなくても済むことになります(課税売上が1000万以下の場合)。
手続きは専門的な部分もあるので税理士に相談してみたほうがいいかもしれません。 不動産投資においても同様の消費税還付スキームはありますが、居住用物件の場合、そのハードルはかなり高くなります。
事業リスクが保険でカバーされる太陽光発電投資と排除できない不動産投資
太陽光発電投資発電のリスクは、保険でカバーされるものがほとんどです。つまり、対処可能ということです。具体的には台風や水害のような自然災害ですが、これは火災保険でカバーされます。また、そのような事故で売上が一定期間たたなくなってしまった機会損失については休業補償保険、また発電所内に人などが侵入し事故が起きてしまった場合には施設賠償責任保険と、いずれも低額の保険料で入ることが可能です。
太陽光発電投資発電で保険がカバーできないリスクは、津波と噴火の二つですが、これらは物件選定の際に立地をチェックすれば排除できるリスクになります。
一方、不動産投資の場合は排除できないリスクがどうしても残ります。
まず地震による建物崩壊リスク。残念ながら地震国である日本では、全国どこでも直下型大地震の可能性を否定することができません。 そして、事故物件リスク。自殺や他殺で死者が出たり、孤独死で入居者が亡くなってしまう場合です。確率は少ないでしょうがこのリスクも排除するのが難しいものです。
太陽光発電投資の場合、地震リスクは同様にあるのですが発電所は架台にパネルを敷いた単純な構造物で、その高さも1m程度なので、相当な地震がきても崩壊してしまう可能性は低いと考えられます。
さて、ここまで太陽光発電投資の優位点を列挙してきましたが死角はないのでしょうか? よりフェアな比較を期すためにも、最後に数点、太陽光発電投資の弱点にも触れてみたいと思います。
融資が伸びやすい不動産投資と伸びにくい太陽光発電投資
太陽光発電投資発電は、基本的に土地単価の安い場所で行うので、融資の際の担保価値が出にくいというのが弱点の一つです。
これを補完しているのが信販会社のソーラーローンで、広い属性の投資家に発電所1基目の融資を提供してくれています。 しかし、このソーラーローンも、発電所を2基、3基と買い増していく段になると、年収など審査項目のハードルが上がり、融資が頭打ちになる傾向が見られます。 一方、不動産投資であれば、2件目、3件目でも、購入物件そのものに担保価値があれば、ある程度の融資が付き、他の保有不動産投資の担保余力を使うという対応も可能となります。
まとめると、融資を伴う拡大戦略においては、不動産投資に軍配が上がることになります。
節税スキームありの不動産投資と純粋利回り投資の太陽光発電投資
不動産投資を使った節税スキームでよくあるのが、個人から築古の木造物件を購入し、土地建物比率で建物部分を大きく取り、4年という短期間で償却していく方法です。 これは、自己資金のある投資家や高額の給与所得サラリーマンの節税として依然、効果的です。
一方、太陽光発電投資のほうですがFIT導入時の一括償却やその後の生産性向上設備投資促進税制(平成29年3月31日をもって終了)という優遇税制は現在では終了し、節税策はほぼ消滅したといっていいでしょう。 従って節税を絡めた投資は不動産投資のほうが優れているといえます。
まとめ
以上「不動産投資 vs 太陽光発電投資」両者の投資の特徴を詳細に比較してみました。今回の10項目においては8勝2敗で太陽光発電投資の勝ちといえます。
アパート経営のような不動産投資に比べ、一般にはマイナーとみられている太陽光発電投資ですが、実はかなりの優位点があることをわかっていただけでしょうか。
実際のところ利回り10%前後の物件を探すことはまだ可能です。ただ、今後さらに買取単価が下落することにより利回りも下がっていくことが予想されます。 その意味では太陽光発電投資というのは、あと数年という賞味期限のある投資になるかもしれません。