土地付き太陽光発電とはどんな投資?特徴とメリット・デメリットを徹底解説!
土地付き太陽光発電は投資用の太陽光発電所で、土地と太陽光パネルなどがセットで販売されている物件のことです。「太陽光発電投資に興味あるけど、よく分からない」という方のために、ここでは土地付き太陽光発電のメリットやその特徴など概要について分かりやすく解説していきます。
目次
土地付き太陽光発電投資とは?
太陽光発電というと、屋根の上をイメージします。もちろん政府の再生可能エネルギーの推進で、今でも増加の一途をたどっていますが、2014年から増加してきたのが土地付き太陽光発電です。
太陽光発電に投資したいけど、自分の屋根の形状だと売電量が稼げない、または土地がないので投資できないという人にとってはまさにうってつけの投資商品で、資産家や投資家を中心に人気が高まっています。
さらに普通の太陽光発電とは違い太陽光システムだけでなく、土地、さらに長期メンテナンスや保険などもパックとして販売しているケースが多いので、購入するだけですぐにスタートすることができます。
土地付き太陽光は土地と太陽光パネルなどシステム一式がセットとなって販売されていますが、土地は賃貸の場合と購入する場合の2パターンあります。
他の投資案件との違いは?
土地付き太陽光発電投資と不動産、株、FXを比較!
土地付き太陽光発電投資と不動産投資(マンション・アパート経営)、株とFXを一覧表で比較してみました。
投資案件 | 土地付き太陽光発電 | 不動産 | 株 | FX |
---|---|---|---|---|
収益性 | ◯ ローリスク・ローリターン 利回り10%程度 20年間の固定買取 | △ ローリスク・ローリターン 利回り3~10% 競合発生による変化 | × ハイリスク・ハイリターン | × ハイリスク・ハイリターン |
収益保証 | ◯ 保険による発電保証 | △ 賃貸保証 | × なし | × なし |
税制優遇 | △ 中小企業等経営強化法による 固定資産税の1/2軽減 | △ 経費計上化 (所得税・住民税の節税) | × なし | × なし |
流動性 | △ 短期間の現金化に不向き 中古販売が可能 | △ 短期間の現金化に不向き 中古販売が可能 | ◯ 即現金化が可能 | ◯ 即現金化が可能 |
管理 | 遠隔監視システム メンテナンス会社による管理 自己による管理なし | 自己管理、 又は管理会社への委託 | 自己管理 | 自己管理 |
流動性はFX、株と比較して良くないが…
購入後の土地付き太陽光発電はFX、株と比較してすぐの現金化は難しいです。現金化には最短でも1ヵ月はかかると思っておいた方がいいかもしれません。
ただ、中古太陽光発電(すでに発電を開始している太陽光発電)の需要は非常にあります。なぜなら、実際の発電量および売電収入がデータとして残っているため、投資する側の収支シミュレーションが立てやすいからです。実際に、当サイト『メガ発』で中古太陽光発電がマッチングに至ったケースも複数あります。太陽光発電所を保有しても、出口に困ることは無さそうです。
その他の投資案件との比較
投資案件 | 土地付き太陽光発電 | 駐車場 | ワンルームマンション | コンビニ |
---|---|---|---|---|
利回りの例 | 8~10% | 4~6% | 3~10% | 立地状況により大きく変化 |
競合 | 競合は発生せず | 近隣へのより低価格での参入で収益激減 | 多くの場合存在、差別化にコストがかかる | 近隣への参入で収入減少リスク |
収益のシミュレーションの実現度 | 20年間想定 ほぼ想定通り | 想定でしかない | 想定でしかない | 想定でしかない |
問題が発生した場合の対策 | 打ちやすい | 可能。低価格競争による収益減リスク含む | 可能。内装工事などコストアップ要因含む | 打ちづらい |
特徴 | 革新的技術、競合が現れても、発電量の買取が政府に補償されているため、影響を受けない、最も安定的な投資案件。 | 利回りは立地に左右される。月極/コインパークの選択も必要。 | テナント・店子逃げ出しリスクが経営の難点。稼働率は重要で、入居者の募集体制、アパートの管理システム、管理会社の選定など高スキルが必要。 | 自己所有地の場合、敵地であれば大きな収益も。ただし競合リスクは最大。競合がなくても、常に変化適応を求められる。 |
利回りが他の案件と比べても高いもの特徴ですが、最大の特徴は収益シミュレーションの実現度の高さです。
土地付き太陽光発電投資は国が電気の買取を保証しているため、20年間安定して収益を得ることができます。
そのため、他の投資と比較してもリスクの少ない投資だと言えるでしょう。
また、自分の他にも多くの太陽光発電所ができたとしても、自分の太陽光発電所で発電した電気は20年間ずっと買い取ってもらえるので、競合に影響されることはほとんどないでしょう。
土地付き太陽光発電投資はどの投資案件よりも収益が安定している
太陽光発電投資の一番の良さは「収益が安定している」ことです。
株やFXは大きなリターンを見込むことができる代わりに、元本割れなどの大きなリスクも伴います。また、不動産投資と比較した場合も空室リスクや店子・テナントの逃げ出し、競合との価格競争による収益性低下の可能性などがあります。
太陽光発電投資の場合は、太陽光発電した電力を20年間、固定の金額で電力会社が毎月買い取ってくれます。これは『固定価格買取制度』という国の法律で決まっています。売電価格は20年間変動しないため、ほぼシミュレーション通りの収益をあげることが可能です。土地付き太陽光は利回り10%前後の物件が出回っている事が多いので、例えば『2,000万円を初期投資すると、20年後には2倍の4,000万円になって返ってくる』と覚えておくとわかりやすいかもしれません。
土地付き太陽光発電所の販売価格はどのくらい?
土地付き太陽光発電所の販売価格は、過積載の70kWで2000万円というのが2016年現在では主流で、表面利回りは概ね10%くらいです。
ただし、土地の価格、電力会社との連系負担金、土地造成費、メンテナンス費、保険料などが価格に含まれているかいないかで大きく価格が変わってきます。
表面上の利回りだけで見るよりも、トータルコストも含めた収益性で考えるとよいでしょう。
20年間の長期に渡る投資ですから、表示価格だけでなく、それ以外にどのような料金がかかってくるのか確認することが重要です。
メガ発の掲載物件は、20年間のシミュレーションや、実際にかかる費用、補償内容などを記載した資料をご用意しております。ご不明点は担当より詳しくご説明させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。ご相談、資料請求、見積もりは全て無料です。
「過積載」って何?
先ほど、「過積載の70kWで2000万円」と述べましたが、「過積載って何?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
簡単に説明すると、過積載とはパワコンの容量よりも大きな容量の太陽光パネルを設置することを言います。
これにより、同じ容量のパワコンでも発電量を増やすことができます。
「過積載」について
パワコンよりも容量の多いパネルを設置する「過積載」太陽光発電とは?
土地の購入と賃貸の違い
土地付き太陽光発電は土地とその上に設置する太陽光発電システムをセットで購入するのですが、土地に関しては「購入」する場合と「賃貸」の場合があります。
メガ発の物件には、土地を購入する場合には『売買』、借りる場合には『賃貸』と表記されています。
売買物件は、20年後以降の使用が可能、ローン審査が通りやすい傾向にあるというメリットがあります。
一方で、20年後に太陽光発電設備が不要になった場合に自費で設備を撤去する必要があり、土地に固定資産税がかかるというデメリットがあります。
賃貸物件は、売買物件と比較すると安い、土地に固定資産税がかからないというメリットがあります。
その一方で、売買と比較してローンが通りにくい、賃料が上昇する可能性があるといったデメリットがあります。
設備の撤去費用に関してですが、賃貸物件では初期費用に含まれていることもありますが、含まれていない業者もありますので購入の際に確認するようにしましょう。
項目/契約 | 賃貸 | 売買 |
---|---|---|
固定資産税 | 発生しない | 発生する |
撤去費用 | 発生しない場合あり (業者によって異なる) | 発生する (自己所有のため) |
土地賃料 | 発生する | 発生しない |
20年後 | 売電希望であれば、地主と相談 | 好きなように利用OK |
ローン | 売買より組みにくい傾向 | 賃貸より組みやすい傾向 |
40円や36円の土地分割が可能であった時の物件では、広大な土地を区画に分けて分割販売することが多かったため、道路に接道していない案件もあります。こうした場合は土地だけを見ると条件が非常に悪く20年後に発電事業を停止した後、土地を売却するといった出口戦略をとることが難しくなると予想されます。
では、逆に賃貸の方がメリットが大きいのか?というとそうともいえず、投資家の中には次のように考えている方もいます。
固定価格買取制度の買取期間は20年だが、その後も太陽光発電の電気は市場価格である7~10円程度で売買ができると予想し、買取期間終了後もパワコン・パネルの保証を利用し10年ほど売電事業を継続できるのではないか。
詳しくはコラムを御覧ください。
野立て太陽光発電所用の土地は「売買or賃貸」どちらがいいのか?
このようにそれぞれにメリット・デメリットがあるため、どの部分をリスクとして捉えるかで見解が異なります。20年間の投資ですから長期的な視点で比較するとよいでしょう。
太陽光発電所の購入はローンも利用可能
購入時には様々な融資やローンの利用も可能です。販売業者によってはアプラスやジャックスといった、特定の金融機関と提携している場合があり、そういった場合はローンの審査を通れば物件を購入することが可能です。
ただし、土地付き分譲太陽光発電は非常に人気が高く、販売と同時にスグに完売といったケースも少なくありません。基本的に先着順での販売になるので予算のメドがついている方が有利な傾向があります。
金利の低い日本政策金融公庫を利用するのが一番人気が高いですが、審査に時間がかかり事業計画の提出が必要な場合があります。
融資についてはこちらをご覧ください
野立て太陽光発電所への融資(信販会社ソーラーローンの融資条件)~実際に足を使って仕入れた信販会社の意外な豆知識とは…?~
太陽光発電融資のための金融機関開拓2つのアプローチとは?
土地付きと土地なしだと、どちらがいいのか?
これは一概にどちらがいいのか決めることは難しいでしょう。土地を持っているかどうかなど、状況によって異なります。
土地を持っている場合
太陽光発電を設置できそうな土地を持っている場合は、太陽光パネルやパワコン(パワーコンディショナー)などの太陽光システムや工賃に費用がかかります。信販ローンだと土地代までは融資してもらう必要がないので、かかる費用のほとんど全てをローンで賄うことが可能です。
土地を持っていない場合
土地を持っていない場合は自分で土地を選定し購入しなければなりません。
また、設置業者を選びなど太陽光発電に関するノウハウがかなり必要となるので、初心者には非常に難しいと言えます。
土地付き太陽光発電であれば、最初から土地と太陽光システムがセットで販売されているので、自分で土地を探す必要がありませんし、複雑な手続きを自分で行う必要もありません。
土地付き太陽光発電投資のメリット
土地付き太陽光発電へ投資するメリットがいくつかありますので、みてきましょう。
メリット①:土地がない人でも太陽光発電に投資ができる
これは先さきほども触れましたが、土地付き太陽光発電は土地と太陽光パネルなど必要なものが全部含まれて販売されているため、土地がない人でも投資することが可能です。
メリット②:不動産投資のような空室リスクがない
不動産投資だと物件を購入した後に入居者がいなければ家賃収入を得ることができません。入居者がいない期間があれば家賃収入がありませんので、利回りは下がってしまいます。
太陽光発電投資には不動産投資と比較して空室リスクが存在しません。太陽光パネルに太陽の光さえ当たっていれば、マンションに入居した方から毎月家賃が振り込まれるように、電力会社から売電収入が毎月振り込まれます。
太陽光は地域や立地によって発電量が異なります。発電量が変われば、売電収入に直結してきます。これは、不動産投資でいう『立地が良ければ家賃収入もたくさん入る』のと同じものだと覚えておくといいかもしれません。太陽光発電投資で失敗しないためにはまず『発電所の周囲に影になりそうな遮蔽物はないか』をしっかり確認しましょう。
メリット③:煩雑な管理が必要ない
太陽光発電所に遠隔監視を設置すれば、どのくらい発電したかをパソコンやスマホで閲覧する事が可能です。毎日がワクワクすることでしょう。 また、設置した遠隔監視のデータをメンテナンス会社にも共有しておくことで、異常時に駆け付けや点検を行ってくれます。メンテナンス費用の相場は一般的な発電所ですと年間15万円程度です。年間売電収入が200万円あれば、メンテナンス代は10%未満で済むのでさほど痛手になりません。
メリット④:節税対策
以前に実施されていた「グリーン投資減税」や「生産性向上設備投資促進税制」ほどではありませんが、現在でも土地付き太陽光発電を購入することで、消費税が還付されたり、相続税対策になります。
相続税の節税に関してはこちら
ゼロからわかる!太陽光発電投資と相続税の税金対策
メリット⑤:年間の利回りが高い
土地付き太陽光発電の年間の利回りは10%前後です。電気の買取価格(売電価格)が毎年下がって来ているため、利回りも同時に下がっていると思われがちです。しかし、実際は初期費用も同時に下がっているため、利回りはほとんど変わっていません。
土地付き太陽光発電投資のデメリット
ここからは土地付き太陽光発電のデメリットについて書いて行きたいと思います。
デメリット①:天候による売電金額が上下する
太陽光発電は太陽の光によって発電しますので、天候に左右されるのは避けられません。しかし、基本的に曇りの日でも太陽光パネルは発電しますので、購入時に算出したシミュレーション値を大きく下回ることがありません。
デメリット②:自然災害や盗難の被害に遭う危険性
太陽光発電は台風や大雪などの自然災害の被害に遭う可能性もあります。また、太陽光パネルを繋いでいるケーブルが盗まれる危険性もあります。
しかし、これらは保険に入ることでカバーすることができますので、購入時、または被害に遭う前に加入しましょう。
保険料ですが、2000万円前後の太陽光発電であれば相場で年間3万円~5万円で済む事が多いです。また、数年前に、設備が故障して売電がストップした際も、本来売電したであろう売電金額を保険でカバーできるといったような商品(売電補償)がリリースされています。こうした自然災害保険や盗難保険に加入することでリスクは大幅に減少します。
デメリット③:固定価格買取制度は20年で終了
固定価格で電力を買い取ってくれるのは20年間で終了します。そのため、21年目以降に電力を買い取ってもらえなくなると、これは大きなデメリットとなります。
20年間稼働し続け、初期費用を回収し終わり発電コストの下がった電力を国や電力会社が見捨てるとは考えにくいのではないでしょうか。まだはっきりとは言えませんが、21年目以降も電力会社は電力を買い取ってくれる可能性は十分にある言えます。その場合、固定価格買取制度よりも低い金額になることが予想されます。
また、2016年4月から電力自由化が始まり、2016年11月の時点で小売電気事業者に登録している企業数は360社以上もあるため、電力会社が買い取ってくれなかった場合でも電気を売ることはできそうです。
40円とか36円、24円って何?
メガ発で紹介している物件を見て頂けると分かると思いますが、どの物件にも必ず、「36円」とか「24円」と記載してあります。
これは電気の買取価格(売電価格)のことですので、買取価格(売電価格)が高いほど収益も高くなることになります。
しかし、買取価格(売電価格)は毎年見直されており、年々、減少傾向にあります。
10kW以上の土地付き太陽光発電は以下のような買取価格(売電価格)となっています。
年度 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29円 |
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買取価格(税抜) | 40円 | 36円 | 32円 | 29~27円 | 24円 | 21円 |
買取価格(売電価格)は、設備認定を取った年度の価格が20年間適用されます。
まだ着工前していない24円の案件が販売されているのはそのためです。
買取価格(売電価格)は年々下がることが政府からもアナウンスされており、以前の買取価格(売電価格)である36円や40円などの案件はプレミア価格と言えますので、見つけたら早めに問い合わせることをお勧めします。
初心者のための「土地付き分譲太陽光発電投資」まとめ
駆け足で説明してきたので、細かい点は省いていますが、上記のポイントを抑えておくことで土地付き分譲太陽光発電についてひと通りのことはご理解いただけたかと思います。
太陽光発電投資はFXや株と比較して、レバレッジを効かせて大金を稼ぐか大損するかといったものではないので、堅実な投資を目指されている方におススメの商品です。また、一般的な不動産投資と比較しても利回りが高いのも魅力です。
土地付き分譲太陽光発電は物件によって利回りや補償内容が異なります。複数の物件を比較することをオススメしています。
メガ発では、太陽光発電アドバイザーの資格を持ったスタッフが対応しています。土地付き太陽光発電投資についてのギモンはお気軽にお問い合わせください。