【ファイナンシャルプランナーに聞いた】稼働済中古太陽光発電所を売却する際のメリット・デメリット

太陽光発電所の初期費用を回収した方や固定買取価格制度の適用期間終了に近づいている方などは、太陽光発電所の売却を検討しているのではないでしょうか。
さまざまな事情から太陽光発電所の売却を検討し始めた場合は、売却前にいくつかのポイントを確認および判断した上で検討するのが大切です。
そこで本記事では、太陽光発電所を所有している方に向けて、売却メリットとデメリットから売却前に確認しておくべきポイントについてわかりやすくご紹介します。
太陽光発電所の売却を検討している方や売却のタイミングが気になる方などは、参考にしてみてください。
稼働済中古太陽光発電所を売却するメリット

稼働済中古太陽光発電所の売却は、資金面でのメリットをはじめ維持費用やその他リスク回避につながる場合もあります。まずは稼働済中古太陽光発電所を売却するメリットを確認していきましょう。
高い売却益を期待でき事業資金などに回すことができる
稼働済中古太陽光発電所の売電実績や設備状況によっては、高い売却益を期待できます。稼働済中古太陽光発電所は、一見すると中古という点から需要の少ない設備に感じられるかと思います。
しかし、購入者にとっては、事前に稼働実績を確認できるという点や購入後すぐに売電収入可能な点(稼働中のため)などがメリットでもあります。そのため、稼働済中古太陽光発電所にも一定の需要があり、売却益を期待できます。
なお、売却益を可能な限り伸ばすためには、過去の発電量や売電収入の分かる記録など、さまざまな記録や書類を提示するなどといった準備や工夫も必要です。
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設備維持やその他コスト負担を0にできる
稼働済中古太陽光発電所の売却は、設備を維持するためのメンテナンス費用や清掃費用、固定資産税、売電にかかる所得税などといったコスト負担を0にできるのもメリットといえます。
太陽光発電所の運転維持費は、経済産業省の調達価格等算定委員会で作成された資料(令和3年度)によると、50kWで年間23万円ほどかかる計算です。また、100kWや200kWなど出力が増えるほど年間の維持費用は、増えるという点も理解しておく必要があります。
さらに実際の維持費用は、運転維持費だけでなく清掃費用や税金(所得税や固定資産税など)なども含まれます。運転維持費を含む各種費用の負担が厳しい場合は、売却も選択肢に含めてみてはいかがでしょうか。
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自然災害時の事故リスクを負うことがない
稼働済中古太陽光発電所の売却は、自然災害を含む外的要因による事故や破損リスクを負わずに済みます。
太陽光発電所は、土砂災害による故障や飛来物による太陽光パネルの破損など、自然災害を含む突発的な事象で破損や事故を招くリスクもあります。また、豪雨などで土砂災害や地滑りが発生し、太陽光パネルなども巻き込まれて近隣の住宅や人に損害を与えてしまう可能性も考えられます。
太陽光発電所周辺の地盤改良工事や架台強化など災害対策費用を捻出できない場合、売却メリットの方が大きいと考えられます。また、二次被害を防ぐという点でも、売却を含め早期に対処すべき状況です。
稼働済中古太陽光発電所を売却するデメリット

続いては、稼働済中古太陽光発電所を売却するデメリットを確認していきましょう。
売却益に対する税負担が発生
稼働済中古太陽光発電所の売却では、売却益に対して税金がかかる場合もあります。
法人と個人どちらのケースでも『売却益―(購入金額-過去の減価償却費の累計)=プラス』になれば課税される仕組みです。
稼働済中古太陽光発電所の維持費用や災害対策費用をまかなえる程の売電収入を確保している時は、売却メリットの少ない状況です。また、安定した売電収入を確保していると高い売却益を期待できるため、課税負担も増えてしまいます。
ただし、「見込み売却益が低く課税額も少ない」「設備の維持が困難な状況」などであれば、課税負担を考慮しても売却した方がいい場合もあります。
メガ発は、売却先の一括査定だけでなく売却した方がいいのか、発電効率の悪い状況で悩んでいるなどの課題解決に向けたサポートも行っています。売却や設備の維持に悩んでいる方は、1度ご相談してみてはいかがでしょうか。
太陽光発電所を活用した節税や電気料金削減ができない
稼働済中古太陽光発電所を売却した場合は、節税や電気料金削減メリットも含めて手放すことになります。
太陽光発電所の購入にかかる費用は、減価償却費として経費に計上できます。また、法定耐用年数の17年間は経費として計上できるため、長期的な節税につながります。他にも太陽光発電所の売電もしくは自家消費によって、電気料金を削減することが可能です。
稼働済中古太陽光発電所の売却を検討する場合は、現時点で金銭的なメリットを得られているかチェックした上で、判断するのが大切です。
利益が発生していた場合は機会損失につながる可能性
稼働済中古太陽光発電所の主な売却デメリットとして挙げられるのは、機会損失という点です。
売電を行っている場合は、売電収入を継続的に確保できますし、自家消費を選択していたとしても電気料金の削減やZEHへの転換など、さまざまな活用方法を検討することが可能です。
しかし、稼働済中古太陽光発電所を売却するということは、売電や電気料金削減といったメリットを得られなくなるのはもちろんに、ESG投資の対象として捉えられる機会も減少します。
近年はSDGsなど環境重視の社会情勢へ変化しているため、太陽光発電所などの再生可能エネルギーの導入による企業価値アップといった機会も多い状況です。
売電や電気料金削減だけでなく、企業価値などといった観点から売却しない方がいい場合もある点を把握しておきましょう。
稼働済中古太陽光発電所の売却を考える前に押さえておきたい一般的なポイント

続いては、稼働済中古太陽光発電所の売却前に押さえておくべきポイントを紹介します。
稼働済中古太陽光発電所の売却額を高めるためには、設備の状態や売電実績など複数の要素を確認もしくは改善しておく必要があります。
太陽光発電設備の状態をチェック
まずは太陽光パネルやパワーコンディショナ、配線類などに破損や異常がないか毎年点検および確認しておきましょう。
稼働済中古太陽光発電所の査定額には、設備状況も関係しています。たとえば破損していないかなどといった点はもちろん、定期的に設備を清掃したり周辺の雑草やごみなどを取り除いていたりしているかといった点も査定に含まれることがあります。
破損箇所がある場合は、早期に修理依頼を行うのが大切です。
周辺環境の整備を行っているか
稼働済中古太陽光発電所の売却額を高めるには、フェンスを設置したり遠隔監視装置を取り付けていたりといった環境整備も大切です。
フェンスに関しては法律で設置が義務付けられているため、査定額だけでなく運用そのものに影響を与えます。野立て太陽光発電は、設備の周囲にフェンスや塀などを設置し、第三者が簡単に設備へ触れられないよう対策を講じなければいけません。
他にも法律でメンテンナンスが義務化されているため、太陽光発電所の遠隔監視システムも重要な設備といえます。遠隔監視システムは、太陽光発電所から離れていても日常的に太陽光発電所の稼働状況を監視できるのが特徴です。
稼働済中古太陽光発電所を法律に沿って運用できる状態であれば、買主によるチェックや周辺設備の整備不要なので、購入してもらいやすいといえます。
なお、遠隔監視システムやフェンスの設置を含む周辺環境の整備は、太陽光発電の設置業者で対応してもらえます。
売電実績が好調かどうか
稼働済中古太陽光発電所の査定額は、発電量や売電実績といった点でも変動します。
たとえば発電量の下落率が緩やかだったり売電収入に大きな変化が見られなかったりなどの場合は、比較的好調で売却額を上げられる可能性もあります。
一方清掃不足だったり一部劣化していたりしていて発電量が下がっている時は、好調とはいえません。専門業者へ点検や部品交換などを依頼し、改善した上で売却を再検討するのが大切です。
他にも発電量や売電実績を含む各種データは、内容に限らず購入者に公開するのも重要といえます。売電実績が好調であれば高く売却できる可能性がありますし、そうでない場合でもデータを丁寧に記録および公開することで査定に良い影響を与える場合もあります。
まずは売電実績にかかわらず土地の登記簿や需給協定書、運転記録や管理記録、設計図など、あらゆる書類を用意し、信頼性を高めておきます。
立地条件という点から不安要素がないか
稼働済中古太陽光発電所の設置場所は、査定額や人気につながる要素の1つです。なぜなら設置場所によって発電量が変わるためです。
日当たりの良好な場所に設置されていれば、発電量が数%下がっている状態でも一定の発電量を見込めますし、売電収益も計算しやすいといえます。
立地条件に関しては、設置後に改善の難しい要素です。少しでも発電量を増やせるよう点検や清掃をはじめ、雑草や敷地内の木々を伐採するなど可能な範囲で対策を続けましょう。
出力抑制の対象地域かどうか
出力抑制の対象ではない地域に設置されているかどうかも、査定額や人気につながります。出力抑制は、電力会社によって実施される電力系統の一時制限措置です。
電力の安定供給には、電力の需要と供給に差が生じないよう常に制御する必要があります。そこで電力会社は過剰な発電かつ売電を防止するため、状況に応じて電力系統を一時的に制限しています。
つまり出力抑制の対象地域に太陽光発電所を設置している場合、電力の需給状況によって売電できない場合があります。売電できない時期が発生するということは、その分売電収入も下がってしまいます。
稼働済中古太陽光発電所を高く売却するには、出力制御の対象地域外に設置しているかどうかも重要なポイントです。
売却益にかかる税を負担可能な状況か
稼働済中古太陽光発電所を高く売却した場合は、その分税金の負担も増えます。少しでも手元に売却益を残す必要がある場合は、設備の保有期間を確認しましょう。
稼働済中古太陽光発電所を売却した場合は、譲渡所得という所得税がかかります。また、譲渡所得の税率は、土地や建物の所有期間によって変わります。
なお、譲渡所得の計算方法は以下の通りです。
- 売却額(譲渡額)―(購入費用+売却時に発生した費用)=譲渡所得
- 譲渡所得―特別控除額=課税譲渡所得
- 課税譲渡所得×税率=課税額
節税につながるポイントは、税率に関する取り決めです。5年未満の所有期間で適用される短期譲渡所得の場合は、30%の税率がかかります。一方5年を超える所有期間で適用される長期譲渡所得は、15%の税率へ下がります。
売却計画を立てる際は、太陽光発電所の所有期間を軸に検討することで節税につながる可能性を理解した上で検討するのが重要なポイントです。
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実績のある仲介会社を見つけているか
中には稼働済中古太陽光発電所の直接買取を行っている業者もいますが、仲介会社を利用して買い手を探す場合は、実績のある仲介会社かどうか確認しておきます。仲介会社は、あくまで売り手と買い手をつなぐのが主なサービスのため、売却益に直接関係していません。
しかし、仲介会社によって会員登録数やサポートサービスの内容、仲介手続きの実績などといった部分が異なります。
たとえば当サイトメガ発は、2013年秋頃より運営を開始し、累計1,500件のマッチング実績、売り手の悩みを聞き取り解決策の提案、最短1ヶ月の現金化可能など、さまざまな点で強みを持った稼働済発電所の買取または仲介業者を複数紹介していただけるサービスです。
トラブル0で高く売却するには、実績豊富で登録数の多いプラットフォームから準備を進めるのが基本といえます。
まとめ

稼働済中古太陽光発電所を売却するメリットやデメリットは、稼働状況や売却の目的によって変わります。
また、高く売却するには、売電実績の状況や各種データおよび書類の提示、立地条件や設備の状況など複数の要素を確認および改善する必要があります。
早期の現金化を検討している方や高く売却したいと考えている方などは、今回の記事を参考にしながら準備を進めた上で、メガ発の一括査定をご検討してみてはいかがでしょうか。
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プロフィール

ファイナンシャルプランナー
菊地 祥
2018年2月まで会社員として勤務、同年FP資格を取得、専業ライターとして活動を始める。自身も株式投資をはじめ様々な投資を行いFPとしての知見を活かし金融関係や社会保障、そして太陽光発電などを中心にウェブライティングを行う。