【平成28年】太陽光発電の買取価格(売電価格)に関して【2016年度調達価格等算定委員会】
経済産業省は2月4日、2016年度における固定価格買取制による再生エネルギーの買取価格(売電価格)に関して議論する「調達価格等算定委員会(第21回)」を開催しました。
10kW以上の太陽光発電のシステム費用水準に関する分析
まず、これまでの固定価格は、”効率的に事業を実施した案件の水準を採用するため、最新期の1,000kW以上のシステム費用の中央値を採用し、翌年度の買取価格(売電価格)を決定”しています。
ただ、制度開始当初、費用が大きく分散していた10kW以上全体のコスト低減化が進み、10kW以上全体と1000kW以上の中央値の価格差が、2012年度には13.1万円/kWから、2015年度には3.8万円まで縮まってきています。
システム費用の想定値とそれぞれの年の10kW以上の分布図
2012年は上位5~6%、2013年は上位9%、2014年は上位19~20%、2015年は上位29%に相当。出典:資料1 前回のご指摘事項について(経済産業省)
この様に、今まで想定値として使用してきた「最新期の1,000kW以上のシステム費用の中央値」が目標に値する、いわゆるトップランナー的な数値ではなくなったため、”より効率的なシステム費用を想定値として採用するアプローチが必要ではないか”と議論されています。
2016年度の買取価格(売電価格)予想
ただ現状価格の維持では、”コスト削減の促進”が図れず、また、さらなる価格下落は”持続的な導入量の確保”が困難になるとみられており、以下の3つの参考価格で提示されています。
- 1000kW以上の上位35%、10kW以上全体の20%相当…26.8万円/kW
- 1000kW以上の上位25%、10kW以上全体の15%相当…25.1万円/kW
- 1000kW以上の上位15%、10kW以上全体の9%相当…23.2万円/kW
買取価格(売電価格)は
- 2012年:40円
- 2013年:36円
- 2014年:32円
- 2015年6月まで:29円
- 2015年7月以降:27円
と毎年4~5円下げで推移しており、2015年度の想定値が29万円/kWで27円まで下落したことから、2016年度の買取価格(売電価格)は24円前後で調整される見通しとなっています。