2019年の太陽光を振り返って

著者名:
Tomatosoup
公開日:
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611
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いよいよ2019年も終わりですね。前のブログでも予告しましたが、最後に今年のレビューをアップしておこうと思います。個人的な見方になりますが、私の印象に残った出来事は下記のようなものでした。

 

  • FITの抜本的見直し

見直しの実施はまだ先の話で、内容も確定していませんが、大体の方向は今年示されたと思います。

まず高圧以上では固定価格買取りは実質無くなり、売電は入札などで売り先を確保し、FIPという方式で補填を行う形になりそうです。低圧は余剰だけになるということです。また、これまでよく話題になっていたパネル廃棄費用の積み立ても強制になりそうですね。FITとは関係ないのかもしれませんが、発電側基本料金の導入も考えられているようです。これは系統の安定運用の資金確保のために導入したいようですが、気になりますね。

これらの見直しで太陽光発電事業の収益が厳しくなりそうですが、私はおおむね良い方向に向かっているのではないかと思います。FITは当初の制度設計が性善説に基づいていたため、悪用する事業者に狙い撃ちにされましたからね。これからは少なくとも、金儲け目当てで安易に事業を始めるような事業者はいなくなっていくでしょう。この見直しを歓迎したいと思います。

 

  • 自然災害の影響

温暖化による異常気象でしょうか、今年は台風などの自然災害が多かった年でした。災害が激化するなかで、太陽光の長所短所が再確認されたと思います。

まず長所。主に住宅太陽光の話ですが、太陽光は災害時の停電対策になりました。日中だけですが、家電(特に冷蔵庫)やスマホ充電が使えるということが随分評価されました。

一方で、災害を遭った太陽光も多くあったようです。中には、土砂崩れを引き起こして周辺の人に迷惑をかけたような発電所もありました。これらの発電所には施工などに問題のあったところが多かったようですが、これからは災害が厳しくなることが予想されるので、太陽光発電の安全対策も強化していかなければなりません。本来、太陽光発電はCO2抑制のためのものが、いい加減な設置をする業者のために自然破壊の元凶のように言う人がいるのは耐えられないですからね。

太陽光の安全に対する国の指導も厳しくなっていくようです。これからは健全な発電所が普及するように祈っています。

 

  • 美作市のパネル税導入案

まだ美作市が本当にパネル税を導入するかどうか分かりませんが、導入すると厄介です。もし成立すると他の市でマネするところがでてくることが十分考えられますからね。

この新税は法定外目的税と言われ、地方税法で認められている課税方法らしいですが、「法定外目的」の「目的」ってどういうものなのでしょう。そこが良く判りません。そもそも太陽光の普及のためにFITで発電事業にお金が回るようにしたのに、それを地方自治体が横取りする形もどうなのかなと思ってしまいます。

今のところこの税金を導入するかどうかは継続審議なので、来年どうなるか、実に気になるところです。

 

  • 京セラがパネル生産事業から太陽光発電のサービス事業に転進

中国の低価格攻勢のせいで、日本のパネル事業が難しくなっていたのは判っていましたが、とうとう「来る時が来たな」という感じですね。発電のサービス事業への転進なら国内事業なので、中国などの攻勢は少ないでしょう。今後、再エネが増えてくると、この分野に何か事業のネタがありそうな気もしますが、どのような事業を開発していけるのか、ちょっと未知数なところがありますね。

太陽光パネル事業をどうしていくか、これは京セラさんだけでなく、他のパネルメーカーすべてで共通の課題だと思います。その中でこれは象徴的なニュースだったと思います。

 

  • 住宅太陽光の卒FIT

先月から住宅太陽光の卒FITが始まりました。今年の前半は卒FITに向けた買電プランや蓄電池の営業が盛んでしたが、最近は静かです。どうなっているのでしょう。良く判らないままに発電を垂れ流している卒FIT太陽光もかなりあるのではないかと思いますが、その後のニュースが無いので状況が判りません。来年あたり何かわかるかもしれません。興味津々です。

 

  • テスラの太陽光発電事故

EVで有名なテスラは太陽光パネルの設置や設置事業も行っているようですが、アマゾンやウォールマートの屋根に設置したパネルが相次いで火災事故を起こし、その原因が設置不良と見られています。EVに関しては元気なテスラですが、太陽光発電/パネルについてはこれですっかり信用を落としました。これだとソーラールーフはダメそうですね。一方、テスラは価格破壊の蓄電池「パワーウォール」を出して話題になっています。太陽光への利用も期待されているのですが、こちらの方はどうなるでしょう。

 

  • 消費者庁の太陽光発電事故調査報告

今年初め、消費者庁が住宅用太陽光発電の火災事故の調査報告を発表していました。火災事故の中にはパネルに原因があるものもあったので、消費者庁では「パネルは発火する恐れがあるので、屋根との間は不燃材を入れなければならない」と警告を出しています。メーカーもこれに同調した見解を出していますが、パネルが発火することが前提ということには驚きました。こんなことで良いのでしょうかね。私から見ると、太陽光の重大な問題が指摘されていると思いましたが、メーカーあまりにも知らん顔なので驚いたニュースでした。

 

まぁ、今年の印象に残った出来事はこんなところでしょうか。今年はとにかくFITの抜本的見直しと自然災害関連の問題がよく取り上げられたせいか、他のニュースは目立たなかったように思います。また、今年は日射量が少なかった年のように思われますが、それは年が明けてからゆっくり調べてみたいと思います。

 

では、皆様良いお年を!

 

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