太陽光パネルの廃棄処理

著者名:
Tomatosoup
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太陽光発電の問題点としてよく言及される事柄の中に「パネルの廃棄問題」があります。私は、パネルの廃棄はそれほど問題ではないと思っているので気にしていませんでしたが、あまりによく指摘されるので、私が思っていることを纏めておこうと思います。

 

まず、「パネルに有害物質は含まれていない」という点。

パネルに有害物質として、鉛、カドミウム、ヒ素が含まれていると言う人がいますが、確かに鉛については、昔のパネルには含まれていました。インターコネクタのハンダに含まれていました。2000年代の前半ぐらいまでは鉛を含むハンダが使われていたと思いますが、その頃のパネルの出荷数はほんの微々たるものでした。その後、パネルの脱鉛ハンダが進み、太陽光発電普及策が導入された2011年には、ほとんどのパネルの脱鉛が終了していました。

カドミウムについては、昔、アメリカのパネルの中でカドミを使うものがありましたが、日本に輸入されたのは研究用のものぐらいで、ほとんどありません。ヒ素を使う太陽電池も研究用と宇宙用のものがある程度で、問題にはなりません。

このようなことから、有害物質はほとんど問題にはなりません。

 

次に「リサイクルできない」という問題。

太陽光パネルの構造は簡単で、リサイクルもそれほど難しいものではありません。太陽電池セルがガラスに樹脂で封止されているのを分離するのが少し面倒なぐらいです。また、リサイクル技術は既にいろいろ開発されていて(例えば、太陽光パネル 新見市の企業がリサイクルの新たな技術開発)、実際にリサイクル事業を行っているところもあります。ただ、まだパネルの廃棄量が少ないので事業に乗り難いため、補助金などを受けて細々とリサイクルしたり廃棄処理したりしているだけ(千葉県で初、太陽光パネル処理のためのソーラーパネルリサイクルセンターを開設 など)なのが現状です。リサイクル・廃棄処理できる会社も少なくて、存在もあまり知られていなので、太陽光発電協会では一覧表を作って少しでも適正処理が進むように計らっています。

次に「実際の問題点」。

廃棄についてほとんど問題ないとは言いましたが、懸念される問題もあります。それは、「不法廃棄される可能性がある」という点です。現状では適正廃棄やリサイクルが技術的に可能になっているだけで、体制としては整備されていないため、適正処理もリサイクルも廃棄者の自主努力に頼らなければなりません。一方で、太陽光発電にはFIT導入当初に参入した業者の中に、利益目的だけで参入した不良業者がかなりいます。そのような業者は不法設置したり不良工事したりして問題を起こしたりしています。パネル廃棄に関してもやはり問題を起こす可能性があります。何とか取り締まりたいところですが、不法投棄はなかなか見つけにくいですから、このような業者が不法廃棄してしまわないか心配です。

 

廃棄・リサイクル体制の整備は、パネルの廃棄量が増えてくれば事業として取り組めるので進んでくるものと思われます。多分、2030年頃になると体制が整備されてくるだろうと思いますが、それまでの間に不法廃棄する業者が出てこないように、何とか業界も努力して欲しいと思います。

 

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