ソーラーアークは不良パネルのモニュメント

著者名:
Tomatosoup
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ソーラーアークは有名ですね。新幹線からよく見えます。これはパナソニックになる前のサンヨーが大量に発生した不良パネルを回収して、二度と不良パネルを出さない強い意思を示すために、モニュメントとしてつくったものと言われています。この不良パネル事件について思うところがあり、それについて触れたいと思います。

 

が、ソーラーアークの話をする前に、まず私が経験した不良パネルの話をします。 私はかつて東燃と言う石油会社で太陽電池の研究開発に従事していました。この会社が太陽電池をやっていたということはほとんど知られていないと思いますが、80年代のサンシャインのアモルファス太陽電池研究開発の頃から太陽電池をやっていました。しかし、90年代の不況の時に突然撤退し、消え去りました。その頃の話になる訳ですが・・・。

 

当時は太陽電池の市場はほとんどありませんでしたが、それでも90年代に入ると国家プロジェクトが行われたり民間でも興味を持つ会社が出てきたりし、活動の場が増えつつありました。従って、東燃でも研究開発だけでなく生産技術の蓄積や将来の営業活動の準備もやろうとして、パイロット生産プラントを作りサンプル出荷のようなことを始めました。

 

ただ、当時はまだ研究開発に向けた体制であったので、サンプル出荷と言っても生産のために研究陣の人手をとられるのは負担でした。このため、研究陣は技術開発に専念し、サンプル出荷の生産は外部に委託しようということになり、OEMで生産を請けてくれるところを探しました。いろいろ探したようですが、中でもソレックと言うアメリカの会社がかなりの低価格でOEM生産を引き受けてくれることが判りました。

 

ソレックはアメリカと言ってもメキシコとの国境に近いところに工場を持ち、メキシコからの不法入国者を低賃金で雇うことで低価格が実現できているのではないかと思われました。トランプがいたら潰されそうなビジネスモデルですね。私のいた会社としては、OEMをやってくれたらどこでも良いというようなスタンスでしたが、とにかく品質はどうか知るためサンプルで少量購入してみました。

 

購入したパネルを評価したところ、他社と比べて少し出力は少し低いもののしっかり作ってあり使えそうだったので、東燃の名前を入れて大量に購入することにしました。1,000枚ぐらいだったと思います。当時のパネルは50Wほどで今と比べるとかなり小型でしたけれど、これでも当時の市場にしては大量でした。

 

ところが、太陽購入したものを調べてみてびっくり。ほとんどのパネルは定格を1割ほど下回るものばかり。さすがに困ったものの、他にOEMしてくれるあてが無く、ソレックにつき返すか、出力が低いことを前提にデモやサンプル用に使うか、揉めていました。しかし、その答えを出す前に東燃が太陽電池から撤退する話が起こり、不良パネルの話などどうでも良くなってしまいました。最終的には東燃は太陽電池から撤退し、不良パネルは廃棄されました。

 

で、私がいた会社の話はここまでで、パナソニックの話に戻ります。

 

パナソニックの太陽電池はサンヨーのものであることは前述のとおり。サンヨーは80年代頃にアモルファス太陽電池で世界のトップにあり、ソーラー電卓を開発し世界に広めた会社でした。80年代の太陽電池業界ではアモルファス太陽電池が次世代太陽電池の本命視され、サンシャインなどで盛んに研究されていました。サンヨーは研究分野でも世界のトップを走っていました。

 

しかし、アモルファスには光劣化するという致命的な欠陥があり、どうしてもそれが解決できなかったので、90年代に入ると多くの会社はアモルファス太陽電池に見切りをつけ、結晶太陽電池に転換していきました。また90年代に入ると世の中の環境意識が少しずつ強くなり、国(NEDO)の太陽光発電実証プロジェクトが盛んに行われたり、住宅用太陽光発電の補助事業が始められたりしました。多くの太陽電池会社は結晶太陽電池でこれらのプロジェクトに対応していました。

 

ただサンヨーはアモルファス太陽電池で世界に君臨していたせいか、アモルファスにこだわり、結晶への転換が他社より遅れたような気がします。私は「どうするつもりかなぁ」と見ていましたが、サンヨーは遅ればせながらもなんとか頑張って結晶で追いついてきました。

 

その頃には前述のように私の会社は太陽電池から撤退していましたので、私は客観的にサンヨーの様子を見ていたと思います。さすがサンヨー、よく頑張ったなと思ってみていましたが、そうこうしているうちにサンヨーの太陽電池で大量の不良品が出て大変になっているという噂を聞くようになりました。

 

サンヨー大変だなぁと思いましたが、その時に連想したのは、私がソレックから大量に不良パネルを掴まされたこと。場合によっては私もサンヨーのような騒ぎの巻き込まれた大変な思いをしていたかもしれません。あの騒ぎが東燃だったらどうしていただろう、私はどうのように対応していただろう? ゾッとします。

 

トラブルへの対応でその会社や人の真価が発揮されますね。私だったら落ち込んでしまって、多分、あんなモニュメントを作ることは考えていなかったでしょう。モニュメントまで作るのが良いことがどうかは判りませんが、サンヨーのトラブル対応は迅速で適切だったと思います。しかし、サンヨーの不良パネル、実はソレックのOEMだったのでは・・・、いや、それは単なる想像で・・・。

 

アモルファスで世界のトップに立ったことで結晶への転換が遅れ、サンヨーの足を引っ張りトラブルにまで巻き込まれてしまったのは辛い話ですが、サンヨーはアモルファスにこだわったお蔭で、アモルファスと結晶を融合させたHIT太陽電池を生み出すことができたのかもしれません。こう見るとサンヨーはトラブル対応にも技術開発にも大したものだなと思いますが、結局、経営不振でパナソニックに吸収されてしまいました。世の中、判らないものですね。

 

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