朝日新聞に掲載された東北電力の送電線空き容量の記事

著者名:
Tomatosoup
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少し前の朝日新聞に京都大学が東北電力の送電線容量を分析した記事が載っていました( 「空き容量ゼロ」東北電力の送電線、京都大学が分析すると・・・)。送電線容量の問題は太陽光発電の導入可能量に影響しますので、メガ発の読者の方も関心が高いのではないかと思います。記事では下図のような送電線の利用率の例が示されていました。

 

分析の結果として、「東北電力は送電線の空き容量がゼロと言っているが実際には2 ~ 18.2%しか使われていないので、今ある設備をもっと有効に使うべきだ」となっています。「今ある設備をもっと有効に使うべき」という主張には賛同しますが、「2 ~ 18.2%」という表現や上のような図を見ると、送電線にかなりの空きがあるような印象を持ってしまいます。しかし、そこまで空きがあるのかなと言う疑問もあります。

 

そもそも電力需要は変動し、送電線は最大需要に対応して設計される上に、電力供給は信頼性を要求されますので、事故時にもできるだけ無停電対応ができるよう余裕を持たなければなりません。記事にある利用率という言葉の定義を私はよく知りませんので正確には言えませんが、利用率が2%はともかく18%というのは電力会社にとってきつい状態なのかもしれません。つまり、記事の印象ほどは送電線に余裕が無い可能性があります。

 

私は太陽光発電推進者ですが、電力側のこのような制約は忖度(笑)しようと思っています。

 

今年の連休に、九州電力で太陽光発電の影響によりちらつきが発生したという話がありました。これも系統内の太陽光発電の占める割合が大きくなって起こった現象と言われています。九州は太陽光発電が多く余裕が無くなっているため、これから太陽光は電力会社からの抑制を受け入れるように要請されていたと思います。東北電力の問題とは少し異なりますが、太陽光発電が増えたことによる影響であることは同じです。東北電力もいずれ抑制を要請してくるかもしれません。

 

話は戻って、上の数字を見るとまだ送電線に余裕がありそうな印象があることも確かです。この余裕があれば、たとえ抑制を受け入れなければならなくなったとしても、ピーク時に少し受け入れるだけで十分に系統の安定性を保てるような気がします。

 

電力会社は太陽光発電に「無制限の抑制を受け入れる」ことを要求しようとしていますが、この余裕をみるとそこまでは必要ないのでは・・・、という気がします。上記の記事のベースになっている報告書を読んでいませんが、その辺りのことをもっと分析して欲しいなという気がしますね。

 

これから再生可能エネルギーを導入していかなければならないのは必然的な流れなのですから、電力会社も協力して情報公開し系統安定の方法を工夫したら、送電線の容量問題はかなり緩和されそうな気がします。

 

いろいろな意味で電力網をもっと賢く使っていきたいですね。

 

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