中古太陽光発電所の利回り

著者名:
Tomatosoup
公開日:
閲覧数:
3152
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私のところに下記のような中古太陽光の案内がありました。

  • 販売価格:2000万円(土地含む)
  • パネル容量:58.2kW
  • パワコン容量:49.5kW
  • 売電単価:32円
  • 連系日:2015年10月
  • 表面利回り:9%

利回り11.9%なら良いなと思ったのですが、2015年の連系だと残るFIT期間は13年ほどなので、利回りをどのように考えて良いのか気になり、少し試算してみました。

 

標準的な太陽光発電なら1kWあたり1年間に1,300kWhぐらい発電します。またパネル58.2kWでパワコン49.5kWならピークカットはまず発生しませんから、この発電所の1年間の発電量は、

              58.2kW × 1300 = 75,660kWh

kWhあたり32円で売電しますから、1年間の売り上げは

              75660 × 32 = 2,421,120円

初期投資は20,000,000円なので表面利回りは

              2,421,120 ÷ 20,000,000 = 0.122

まぁ、提示している11.9%に大体一致しますね。誤差は年間発電量予測の差から生じるのでしょう。

ここから経費を差し引くと、手元に残るのはもう少し少なくなりますが、それでも銀行利子よりはずっと良さそうに思えます。

 

しかし、FITの残存期間が12年ほどしかないことに注意してください。FIT後には殆ど利益は期待できませんから、残存期間に投資回収しておく必要があり、これにかなりのコストがかかります。

仮に残存期間が12.5年とすると、FIT期間中の総売り上げは、

              2,421,120 × 12.5 = 30,264,000円

1,000万円ほどの利益になりますが、1年あたりの利回りにすると

              (30,264,000 – 20,000,000) ÷ 12.5 ÷ 20,000,000 = 0.041

つまり4.1%ほどとなります。11.9%から大幅に下がりますね。

 

実際には2,421,120円が全て利益になる訳でなく、経費が数十万円かかりますし、金利も数十万円かかるでしょう。それでも手元に少しは残ると思いますが、実質利回りは2-3%ぐらいになりそうですね。それでも銀行利子よりはずっと良いですが、管理が悪くて余分に経費が掛かったりトラブルがあったりすると、利益がほとんど飛んでしまいます。

中古の太陽光を買う場合は、表面利回りだけでなく実質利回りを考え、しっかり管理・運営しないと失敗する恐れがありますから、気を付けてください。

 

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