太陽光発電所の購入契約をする時に
- 著者名:
- Tomatosoup
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最近では中古の発電所を購入することもありますが、普通、太陽光発電所は購入契約後に新しく建設することが多いです。建設の工事はいろいろな細かい決め事をして行わなければなりませんが、発電所のオーナーはそこまでは知らなくて良いでしょう。ここでは契約時にオーナーとして知っておいた方が良いなと私が感じたことを書きます。主に技術面について書きます。
まず契約をする時には仕様が一通り決まっている筈です。パネルやパワコンの容量はもちろんのこと、架台の形状や配置も決まっているでしょう。これらはきちんと文書で確認してください。その中でぜひ確認して頂きたいのは架台の強度設計です。
最近、架台の強度不足で事故を起こす太陽光発電所のニュースを聞くことがあります。単に架台が破損するだけなら損をするだけで済みますが、人身事故でも起こすと社会的糾弾も受けることになります。架台の強度不足で事故を起こした場合、その責任はまずオーナーに来ます。この時、必要な強度設計してあればオーナーの責任はかなり回避されますが、そのためには証拠が必要となります。従って、強度計算書を必ず提出するように業者に要求してください。
強度で一番重要なのは耐風圧強度で、場所によって異なりますが、風速37~40m/sぐらいの風に対する強度が必要です。特に、架台自体の強度、パネル固定部分の強度、基礎の強度が重要です。また基礎の強度については、スクリュー基礎の場合は引き抜き検査を実施する必要があるかもしれません。
重要なのはこれらが全て文書として提出されることです。この段階では設計レベルの文書なので、これを設計図書といます。(実際に工事を行うと想定外のことが起こって、設計から修正が起こったりします。それらも最後にまとめて文書にし、完成時に確認することになります。)
設計図書で他にも要求すべきものは、各機器の技術仕様書や検査成績書以外に次のようなものが考えられます。
・影計算
・想定発電量
・電気配線図
・アレイへのストリングマップ
場所によっては反射光の計算も必要かもしれません。最後のアレイのストリングマップは検査や保守の時に必要になるので、意外に重要です。
発電所オーナーになる人は必ずしも技術者ではないので、上記のような文書を貰っても内容を理解できないかも知れません。しかしどのような条件で設計してあるか(強度で言うと、どれぐらいの風速に対して設計してあるか)は確認し、それを文書で残しておくことが重要です。また自分では理解できなくても、他の人に評価してもらうことも文書にしてあれば容易です。
契約段階での確認事項をもう少し書きたいのですが、長くなりますので次回にします。
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