太陽光発電所の購入契約をする時に、の続き

著者名:
Tomatosoup
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前回のコラムで太陽光発電所購入契約時には設計仕様を文書化(設計図書)し、内容には架台や設置の強度を入れて確認しておくことが重要だと指摘しました。耐風圧強度は特に重要で、発電所オーナーは少なくとも自分の発電所が耐風速何m/sの強度で設計されているかは知っておいた方が良いと思います。

 

さて、前回は契約時の話でしたが、完成時には設計通りに設備が作られていることを確かめなければなりません。つまり、完成検査が必要なわけで、「完成検査で設計通りに作られていることを確かめたうえで残金を払い、引渡しを受ける」ことを契約時に決めておかなければなりません。

 

では完成検査とはどのようにすればよいのでしょう。

 

設備の各部に歪みやガタつきが無いかを調べるぐらいなら出来そうですが、一番重要な「ちゃんと発電しているか」を調べるのは意外に難しいものです。その理由は、完成検査を行う時点の発電所はまだ系統連系していないからです。

 

系統連系していないと発電所がどの程度発電しているか判りません。一応、電圧は出ているのですが、電流を系統に送ることができません。太陽電池は「電流は日照に依存しますが、電圧は日照にあまり関係しない」という性質がありますので、電圧だけで発電状況を確認することは困難です。まぁ、全く分からないという訳ではありませんが・・・。

 

発電状況を確認するためには系統連系して電流を流し、電力を測定する必要があります。このためには電力会社に交渉して引渡し前に特別に連系させてもらうか、取りあえず販売会社などの名義で連系して完成検査後に名義を書き換えるか、あるいは完成検査前に系統連系してしまうなどの面倒な手続きが必要です。

 

私はこういう面倒なことを避けたかったので、完成検査では取りあえず電圧だけで動作確認して引渡しを受け、連系後に再度発電電力を確認して、おかしかった場合は対応してもらうという形をとりました。面倒でもこの辺りのことは契約時に明確化して文書に残しておくことが重要です。

 

完成検査を正確にやるというのはなかなか難しいですが、少なくともこれをしっかり実施するという意思を契約時に明確化しておくと、請ける業者もそれだけ緊張感を持って仕事をしてくれます。ここが結構重要で、この意味でも完成検査を行うと言って業者にプレッシャーをかけて下さい。更に、完成検査の結果を他の設計変更などとともに文書化し「完成図書」として提出してもらい、確認するというのが理想的な形です。

 

最近は太陽光発電所も安くなってきましたが、それでも高い買い物なので失敗するわけにいきません。十分に準備して、悔いを残さないようにして下さい。

 

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