サーモカメラで太陽光発電所の検査をする前に知っておくと便利なこと

著者名:
Tomatosoup
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サーモカメラは太陽光発電の異常を発見するのに便利なツールの一つです。パネルの異常発熱部分を見つけて異常と判断するわけですが、では、発熱と異常とはどのように関係があるのでしょうか。この辺りの知識を持っていると便利だと思います。

 

まず、異常発熱の原因には大きく分けて二つあります。一つは接触不良で、もう一つは発電不良です。

 

接触不良は判りやすい話だと思いますが、インターコネクタやダイオードの接続が不十分で抵抗が発生し、電流が流れた時に発熱する現象です。接続状態によってはかなりの温度になり、発火してしまうこともあるので要注意です。普通はだんだんと接続状態が悪くなって加熱度が上がり、最後に発火する段階まで進むことがありますので、その前に発見することが必要です。

 

もう一つの発電不良は少し理解しにくい現象ですが・・・、
パネルに限らずどのようなものでも直射日光の中に置かれると温度が上昇します。まともに日が当たると、気温よりも20-30度温度が高くなります。パネルも日射下に置かれると温度上昇しますが、太陽電池は当たった光のエネルギーの一部を電気に変換して外部に送り出していますので、その分、温度は低くなります。

 

どれぐらい温度が低くなるかというと、太陽電池の変換効率は十数%なので、温度上昇の20-30度のうちの十数%、つまり3-5度低くなります。逆に発電していないと、発電している太陽電池より3-5度高くなります。サーモカメラを使えば、これぐらいの温度差は簡単に発見することができます。

 

ただ、発電不良による発熱はこれだけではありません。発電不良がもっと悪くなると、単に発電しないだけでなく、抵抗となって他の部分で発電した分もそこで阻止して消費してしまいます。よく例になるのが、一部に葉っぱが載って影になってしまった時(下図)で、そこが高抵抗になって発熱し他で発電した分も消費してしまいます。

 

このような場合は不良部分が発電しないだけでなく、他での発電分もここで熱になるため大量の熱が発生してしまいます。これをホットスポットと言います。これも状況によっては発火事故を起こす恐れがあるために、パネルにはバイパスダイオードがセットされ、ホットスポットを防止しています。

 

バイパスダイオードの原理は難解なので、あまり詳しく知る必要はありませんが、そういうものがパネルに内蔵されていることは知っておいた方が良いでしょう。良く使うパネルは太陽電池セル10個が6列に並んで全部で60セルが直列に接続されていますが、このうち2列ずつに下図のようにバイパスダイオードを入れてあります。発電不良がある時は電流をバイパスダイオードに回してホットスポットでの異常発熱を防ぎます。

 

だいたい以上のことぐらいを頭に入れておくとサーモカメラ観察が判り易くなります。 まとめますと次のようになります。

  • 太陽電池の発熱には接触不良によるものと発電不良によるものがある。
  • 接触不良は接続部分で起こる。
  • 発電不良では3-5度の温度上昇の場合とホットスポットの場合がある。
  • ホットスポットによる発火を防ぐためにパネルにはバイパスダイオードがセットされている。

これを前提知識として、次回からサーモカメラ診断の例を紹介していきたいと思います。

 

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