ペロブスカイト太陽電池に期待すること

著者名:
Tomatosoup
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ペロブスカイト太陽電池は次世代型太陽電池候補としてよく話題に上っています(例えば、次世代太陽電池「ペロブスカイト」を駅で実証、実用化へのステップは?)。この太陽電池は発見されて最初の1年で効率が10%を超えるという、従来の太陽電池には見られない進展を遂げたので、一躍世界中から注目されるに至りました。また、発見者が日本人であったことから、日本では特に注目されていると思います。

 

ペロブスカイト太陽電池は塗布プロセスで作られるので安くできることが謳い文句ですが、更に「薄くて、軽くて、曲げられる」ということからも注目を集めていると思います。「薄くて、軽くて、曲げられる」と言うのはアモルファス太陽電池やCIS太陽電池でも言えることですが、ペロブスカイト太陽電池は塗布プロセスなのでかなり安く作ることが出来そうですね。ただ、この「塗布プロセス」であるということが両刃の剣で、欠点にもなると思います。

塗布プロセスの最大の課題は「低温プロセスである」という点です。現在普及している結晶シリコン太陽電池は1000度近い高温で製作され、少々のことがあっても変化しない恒久的な加工となります。ペロブスカイト太陽電池は通常の塗布プロセスで製造できるということなので、製造プロセスはそれほど高い温度ではないでしょう。塗布でも耐久性が必要なものは焼付塗装で作りますが、通常温度では厳しい環境には耐えられる気がしないのです。

 

私はかつてアモルファスシリコン太陽電池の研究に携わっていました。薄膜で低温プロセスのアモルファス太陽電池(この辺りペロブスカイト太陽電池と似ていますね)が発見された時は、従来の結晶シリコン太陽電池より画期的にコストダウンが可能だとされ、一世を風靡する勢いで注目が集まりました。ソーラー電卓が開発されたのもこの時です。しかし、アモルファス太陽電池は光劣化が克服できず、大規模な電力用途には使われることはありませんでした。ペロブスカイト太陽電池にも同じような不安が残ります。実際、今のペロブスカイト太陽電池はまだまだ安定性が低いようです。屋外用途は光劣化を克服することも大きな課題です。

 

ただ、ソーラー電卓のように室内用途への応用には十分期待できます。室内では激しい光照射を受けませんからね。それにペロブスカイト太陽電池はアモルファス太陽電池よりずっと効率が高いので、よりも応用範囲をかなり広げていける可能性があります。従って、研究を続け、実用化を進めていく価値はあるでしょう。

また、今の太陽電池分野にはあまり新しいネタが無いので、研究が廃れる恐れがあります。取りあえず話題のペロブスカイトで研究を継続しておいて、並行して新しいネタを探すという手はあるでしょう。研究もやはり絶えず活動を続け、技術の維持向上をしていく体制が必要です。その意味でもペロブスカイト太陽電池はまだ開発余地があり、研究活動を続けていく価値があると思います。

 

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