太陽光発電所を連続購入すると免税事業者に戻せる時期が遅れることも?「高額特定資産」購入の罠とは

著者名:
サムライ大家
公開日:
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こんにちは。サムライ大家です。

 

今回のコラムも太陽光発電投資の消費税還付関連です。

 

前回までのコラムでも説明しましたが、消費税還付の流れはざっくりと以下の通りです。

 

課税事業者の選択届を提出して課税事業者に→消費税還付→3年間売電収入の消費税分を税金として支払う→3年経過後に免税事業者に戻す。

 

これにより、当初の消費税還付金-3年間の消費税納入の差額が手残りとなります(その他税金未考慮)。

 

3年間課税事業者として耐えて、その後速やかに免税事業者に戻すことで手残りを最大化するのがポイントとなります。

 

しかし、同一主体で時期をずらして太陽光発電所を購入してしまうと、免税事業者に戻せる時期が遅れることがあるので注意が必要です。

 

それが、「高額特定資産」に関する制度です。

 

高額特定資産(税抜1000万円以上の太陽光設備も該当)を購入してから3年は免税事業者に戻せなくなります。

 

例えば、課税事業者の選択届を提出して個人(個人事業主)で2000万円の発電所を1基購入し、消費税還付を受け、1基目の購入から1年後に2000万円の2基目の発電所を購入したとすると、本来であれば3年で免税事業者に戻せたのに、2基目の購入から3年待たなければばらなくなります。つまり、当初から4年間は免税事業者に戻せなくなってしまうのです。

 

最近は安くなってきたものの野立て太陽光発電所の設備価格は1000万円以上することが多いので、その場合はこの高額特定資産の制度の適用を受けることになってしまいます。

 

※以下は国税庁のホームページ「No.6502 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除等の特例」より抜粋

「事業者が、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産(注1)の仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度の適用及び簡易課税制度を選択して申告することができません

「(注1) 「高額特定資産」とは、一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。」

 

ちなみに、私のケースでは、個人で購入した発電所は最初の購入時から最後の購入時まで1年間ほど間延びしており、合計4年間、課税事業者として耐える生活をしています。

 

当時は間延びのことは知らず、何も考えずに購入していたので、間延びが1年で済んだのはラッキーなほうだったと思います。

 

免税事業者に戻せるタイミングの直前に間違って高額特定資産に該当する発電所を追加購入してしまったら、そこから3年リセットとなるので、最大で6年くらい課税事業者のまま耐え忍ぶという残念な事態になってしまいます。

 

同一主体で複数の発電所を購入する場合に一番理想的なのは、課税売上1000万円を超えない範囲で(こちらの縛りについては過去コラム参照)、同時期に発電所を複数基購入してしまうことです。この場合、間延びもしないので、最短の3年で免税事業者に戻せますので、手残りを最大化することができます。

 

まとめ

 

今回のコラムでは、時期をずらして同一主体で高額特定資産(税抜き設備1000万以上)に該当する価格帯の太陽光発電所を購入してしまうと、消費税還付を受けるために課税事業者になった場合に免税事業者に戻すタイミングが遅れてしまうことをお伝えしました。

 

従って、複数の太陽光発電所を購入する場合には購入タイミングにも気を遣うとよいと思います。タイミングはなかなかコントロールできないものですが…。

 

ちなみに、同一主体で発電所を買い増していくことを考えていて、購入時期が全く読めない場合は、課税事業者の選択届を提出せず、消費税還付は諦めるという選択肢もありかもしれません。

 

消費税分を納税する必要があるので、課税事業者期間は精神的にも意外とキツイです(笑)

 

それでは、また次回も宜しくお願い致します。

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