太陽光施工業者が作成した売電予測シミュレーションを鵜呑みにすると危険かも!?~いつも同じ方法で独自に予測値を計算しましょう~

著者名:
サムライ大家
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こんにちは。サムライ大家です。

 

皆さんは売電予測シミュレーションはどのようにしていますか?施工業者からもらったシミュレーション結果をそのまま使って判断していたりしないでしょうか。

 

信用できるシミュレーションの場合もありますが、そうでもない場合もありえます。

 

今回のコラムでは、業者シミュレーションに振り回されない客観的な計算方法についてお伝えします。私は業者シミュレーションを鵜呑みにせず、必ず自分自身で計算しなおしています。

 

業者は、パネルメーカー提供の数値を使って算出することがあります。パネルメーカーは謳った性能を満たさないといけないので保身のためにも数値を低めに出しているところが多いです。しかし、中には強気の数値を出しているメーカーもあります。

 

強気の数値を出せば、その数値を使った売電予測値も増えますので、表面利回りも高くなります。表面利回りが高くなれば施工業者も販売しやすくなり、そのパネルメーカーとの取引も増えるでしょう。その辺りを勘ぐってしまいます。。。

 

実際のところはどうなのか分かりませんが、これから説明する計算方法で出した予測値と、業者シミュレーションとを比較すると、ある特定のパネルメーカーの業者シミュレーションは1%近く利回りが高くなっていました。業者シミュレーションを信じて購入を決断した場合、実際にその利回りが得られれば文句無しですが、そうでなかった場合は「こんなハズじゃなかった…」と後悔することになります。

 

これからお伝えする計算方法が絶対というわけではありませんが(むしろ簡易な計算方法です)、どのような方法で計算したのか分からない業者シミュレーションを鵜呑みにせず、独自の判断基準を持つことは大切なことだと思います。

 

計算方法は簡単!

 

計算方法は難しくありません。この計算方法をそのまま使ってシミュレーションを出している施工業者もいます。

 

年間の売電収入予測値(税込)=売電単価(円/kWh)(税込)×年間発電量(kWh)

年間発電量(kwh)=1日の日射量(kWh/(㎡・日))×損失係数×太陽光パネル容量(kW)×年間日数(日)÷1(kW/㎡)

 

各用語の意味は以下の通りです。

 

「1日の日射量」…物件所在地の1日の日射量。NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)のデータベース(NEDO日射量データベース閲覧システム)で調べて取得。パネルの設置角度にもよるが3.6~4.3くらいの値が多い。

「損失係数」…主にパワーコンディショナーやケーブルなどで生じる損失分を考慮するための係数。一律で80%、つまり0.8を使うことが多い(サムライ大家は0.8の固定値にしています)。ちなみに、NEDO技術開発機構太陽光発電導入ガイドブックでは0.73となっている。

「太陽光パネル容量」…例えば60kwのパネルであれば60を代入。

「年間日数」…1年間の日数。つまり365を代入。

1(kW/㎡)…標準状態での日射強度。数値上は1なので計算に影響なし。1なので無視されることが多いため、一見すると単位が合わないように思うが実はこれが省略されている。

 

なお、kWhはキロワット時です。1kWhは1キロワットの電力を1時間発電したときの電力量を意味します。

 

ここで、太陽光パネル容量については業者資料を見ればすぐに分かります。損失係数は0.8、年間日数は365です。すぐに分からないのは1日の日射量です。上述したNEDO日射量データベース閲覧システム)で調べてこなければなりません。

 

1日の日射量さえ分かれば年間発電量(kwh)もすぐに計算できます。そして年間発電量(kwh)に売電単価を乗算すれば年間の売電収入予測値が出てきます。

 

いかがでしょうか?結構簡単に計算できますよね(ちなみに1日の日射量の調べ方については次のコラムでお伝えする予定です)。

 

この計算方法の注意点

 

但し、この計算方法には注意すべき点があります。お気づきの人もいるかと思いますが、パワーコンディショナーの容量が全く考慮されていないのです。計算式で使っているのはパネル容量だけです。

 

最近流行りの過積載(パワコン容量よりもパネル容量を過度に多くする手法)の案件の場合はピークカットが起こるため、この計算方法をそのまま使うのは適切ではない場合があります。

 

例えばパワコン容量が49.5kW、パネル容量が100kWといった極端な過積載案件の場合にはピークカットの影響を考慮して、上記計算式よりも更に少なめに見積もる必要があります。

 

私の場合は過積載率が150%程度(このケースであればパネル容量75kW程度まで)であればピークカットのロス分は無視し、上記計算式をそのまま使って判断しています。

 

ピークカットのロス率についてはまだ情報が少ないのですが、過積載率150%の場合であれば売電収入予測値を更に0.95~0.97倍くらいすればいいのかな…というイメージではいます。

 

私がピークカットのロス率を無視しているのは、そもそも上記計算式が低めの見積もり値で上振れするケースが多いからです。ある業者の情報によると、パワコン49.5kW、パネル65kWくらいなら上記計算式をそのまま使っても実績値は上振れしたとの話でした。

 

過積載率とピークカットのロス率との関係が今後明らかになっていくことを期待しています。

 

もう1つ注意点ですが、パネル容量だけが考慮されており、パネルの種別・性能は全く考慮されていません。結晶系(単結晶or多結晶)、CIS(銅・インジウム・セレン)系などの種別も、メーカーごとに異なるであろう性能も関係なく、一律にパネル容量の値だけを使用しています。だからと言ってどうしようもないのですが、この点にも一応留意しておきたいところです。

 

まとめ

 

今回のコラムでは、業者シミュレーションを鵜呑みにしないことと、売電収入予測値の簡単な計算式(下記再掲)についてお伝えしました。ぜひ活用してみてください。

 

年間の売電収入予測値(税込)=売電単価(円/kWh)(税込)×年間発電量(kWh)

年間発電量(kwh)=1日の日射量(kWh/(㎡・日))×損失係数×太陽光パネル容量(kW)×年間日数(日)÷1(kW/㎡)

 

それではまた次回、よろしくお願いいたします。

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