土地付き太陽光発電投資の初期費用と売電収入について

太陽光発電投資を始める際に気になることの1つに初期費用があるかと思います。今回の記事では、太陽光発電投資を始めるのにどのくらいの初期費用が必要なのか見ていきます。また、どのくらいの売電額になるのかも見ていきましょう。
初期費用を抑えるために重要なこと
産業用と言われる10kW以上の太陽光発電だと、固定価格買取制度で20年間、電力の買い取りが保証されています。この場合、10年程度で初期費用を回収できるのが理想的だと言えます。
初期費用の回収を早めるためにも、初期費用をいかに抑えるかが重要となります。抑えるためには、もし所有地や太陽光パネルが設置可能な屋根があれば、まずはそちらで太陽光事業を検討してみることです。
しかし、太陽光パネルを設置できるような場所を持っていない方がほとんどだと思います。その場合は、土地付き太陽光発電の物件を比較、検討することをおすすめします。
パネルを設置する場所がある場合はパネルによって金額も変わってくるので、国内メーカー・海外メーカーなどに分けて2つか3つのメーカーから見積もりを取ってみることも、高い利回りを実現する上で不可欠でしょう。
このように、投資できる範囲で最大限利益がでる方法で設備を設置する必要があります。
初期費用には何が含まれるのか?
まず、初期費用には土地代金が入ってくるわけですが、土地代金は場所により大きな差があるため、今回は所有する土地や屋根に設置する場合を想定したいと思います。
次に太陽光発電システムを導入する費用を考えてみます。太陽光発電システムの導入費用は、資源エネルギー庁のデータによると平成27年時点で10kW以上の太陽光発電の場合、1kW当たり31万円かかっています。平成28年度はそれよりも低くなっていると想定できるので、ここでは1kW当たり30万円として計算していきます。
太陽光発電システムには具体的に以下のものが必要です。
●太陽光発電モジュール(パネル)
太陽光があたることにより直流電圧を発電する
●パワーコンディショナー(パワコン)
モジュールで発電された直流を一般の電力会社系統へ接続連系するために必要
●売電メーター
売電する電力を計測
●発電モニター
発電量をモニターするのに必要
このようなものが必要となります。また、50kW以上だと高圧連系となりキュービクル(変圧器)を設置する必要があります。
太陽光発電システム導入にかかる費用は、50kWとすると30万円×50kW=1,500万円(土地の費用は除く)となります。これに実際太陽光発電システムを稼働してからの売電量と比較することになります。
では、どのくらいの売電額となるのでしょうか。
50kWだとどのくらいの売電収入になるのか
2016年度で10kw以上の全量買い取りで太陽光発電を経産省へ申請、設置した場合、FITは24円、売電期間は20年間となります。
今からいう事は是非、暗記していただきたいのですが、年間想定発電量は一般的に
■太陽光パネルの総容量×1,000kwh(パネル1kwあたりの年間発電量)=年間想定発電量
で求められます。
ちなみにこの『1,000kwh』という数値はJPEA(一般社団法人太陽光発電協会)を参考にしていますが、最低値と思っていただいて構いません。全国平均で実際の1kwあたりの年間発電量は1,000kwh~1,300kwhとなるので、ほとんどの場合、上振れします。
それでは例に出して総売電収入および実質の浮き分を算出してみましょう。
1500万円で容量50kwの太陽光発電システムを購入した場合、
年間の発電量は50kw×1,000kwh=50,000kwh
2016年度の売電単価は24円なので、
年間売電収入は50,000kwh×24円=1,200,000円
売電期間は20年となるので、総売電収入は1,200,000円×20年=24,000,000円
実質の浮き分は、24,000,000円ー15,000,000円=9,000,000円
太陽光パネルを設置する場所を所有している場合、メーカーによっては太陽光発電システムがかなり安価で手に入る可能性もあります。それにより、さらに売電収入はアップするので、メーカー毎の比較、検討は必須でしょう。
初期費用は年々、減少傾向!
太陽光発電投資は電力の買取価格(売電価格)が年々下がっており今後も下がることが予想されているため、投資目的としては既に魅力がないと言われることも少なくありません。
しかし、実際は太陽光発電が普及することによるスケールメリットによって、太陽光発電システム全体の価格は低下しています。そのため、買取価格(売電価格)も下がっていますが、同時に初期費用も下がってきているので、利回りはほとんど変わっていません。
また、太陽光発電システムの技術が進んでいるため、発電効率も上昇してきています。これまでと同じ規模の太陽光発電所でも年間の発電量は上昇しているのです。加えて、太陽光20年間は電力の買取が保証されているので、引き続きリスクの低い投資であることには変わりないでしょう。