太陽光発電所のリパワリングとは
ここのところ、メガ発でも「リパワリング」についてお問い合わせをいただくことが多くなってきたので、改めて記事にして太陽光発電所のリパワリングについてご案内したいと思います。
特に売電開始してから5年以上が経過している発電所をお持ちの方は、経年劣化による発電量の低下が懸念されます。また、故障で発電量が減ってしまった方、パワコンの性能を上げたい方はぜひご覧ください。
そもそもリパワリングとは
一般的に「リパワリング」とは、経年劣化した発電設備を新しい設備に交換することとされています。
太陽光発電所におけるリパワリングでは、
①パワコン交換
②オプティマイザの設置
③ケーブル交換
④パネル交換
などが検討されることとなりますが、パネル交換は費用面、工事の手間、経産省への申請の手間などを考えると現実的な選択ではありません。ケーブル交換も、それ単体では費用対効果として厳しい面があります。現実的にも実務的にもパワコン交換もしくはオプティマイザの設置が太陽光発電におけるリパワリングの検討手段となります。
リパワリングで発電量、売電収益はどれくらい上がるのか
発電所のリパワリング検討手段として、パワコン交換もしくはオプティマイザの設置が選択しとなることが分かったところで、実際にリパワリングを実施すると発電量・売電収益はどれくらい上がるものなのでしょうか。
もちろんケースバイケースにはなりますが、最大値では20%程度発電量がアップした事例もあるそうです。ただし、リパワリングを実施したからといって、どの発電所もそこまで発電量が上がるわけではありません。
実際にはこれまでの発電データ、売電額のチェックしたうえで、現地調査や発電所の状況を確認したうえでどれくらいの効果が見込めるかを検討することになります。
リパワリングのサービスも徐々に増えてきているので、各社工夫を凝らして、発電量アップの施策に取り組まれています。実際にリパワリングを検討する際には、複数社から見積もりをとり、リパワリングの手法、費用対効果を見極めたうえで導入するようにしましょう。
リパワリングの方法、パワコン交換とオプティマイザ設置の違い
太陽光発電でリパワリングを検討する場合、パワコン交換もしくはオプティマイザの設置の2択となることはご案内の通りですが、パワコン交換、オプティマイザ設置によるリパワリングがどういったものかを見ていきましょう。
パワコン交換による太陽光発電所のリパワリング
太陽光発電所のリパワリングでは、費用対効果の観点からパワコン交換が一番最初に検討されるリパワリング手法となります。その名のとおりパワコンを交換して発電量をアップさせることを狙います。
パワコンは10年前後で交換が必要な機器のため、いずれにせよ入れ替えるのであれば、パワコン交換とリパワリングを兼ねるのが一番コストメリットがよいです。
ちなみにパワコン交換は単相パワコンより三相パワコンの方が割高となることが多いため、自分の発電所がどちらなのかは確認しておきましょう。
FIT初期の買取価格が40円、36円、32円の太陽光発電所に設置されているパワコンの変換効率は、
90%台前半の製品が多かったのですが、現在では95%~98%程度の製品が主流となっているため、
単純にパワコンを交換するだけでも数%程度発電量のアップを見込むことが可能です。
パワコン交換によるリパワリングサービスとしては、東大発スタートアップのヒラソル・エナジー社によるパワコン交換と系統組み換えを組み合わせたリパワリング、オムロンソーシャルソリューションズ社によるパワコン定額貸出サービスであるパワーコンティニューなどが主なサービスとなります。
他にも太陽発電所の販売会社がOB顧客に個別にパワコン交換を行っているケースや、リパワリングサービスを提供しているメーカー、EPCもいらっしゃいます。
複数社を比較検討して、自分の発電所にあったリパワリングサービスを選ぶようにしましょう。
オプティマイザの設置によるリパワリング
オプティマイザは、パネルに設置する電圧を最適化する機器のことです。オプティマイザを設置することで、各パネルが最適な電流・電圧で動作させることが可能となり、影の影響による発電量の低下を回避することができるようになります。
オプティマイザを提供しているのは、アンプト、ソーラーエッジなどの海外発企業となっています。
太陽光発電のパワコン交換によるリパワリング メリット・デメリットは?
リパワリングの選択肢としてはパワコン交換かオプティマイザの設置が主な手法とご案内させていただきましたが、一番選択肢が多い、パワコン交換によるリパワリングについてのメリット、デメリットを考えてみます。
パワコン交換によるリパワリングのメリット
メリットとしては、やはり発電量の増加による売電収益のアップです。基本的にはそのためにリパワリングすると考えてよいでしょう。変換効率の良いパワコンに交換するだけでも数%程度は収益のアップが見込めます。
『パワコンの交換は故障してから』と考えておられる方も相当数いらっしゃいますが、機器によっては納期が数ヶ月程度かかります。保証内で交換できたとしても失った売電収入は戻ってきません。7~8年程度経過している太陽光発電所でしたらパワコン交換によるリパワリングを検討してみましょう。
他にも、パワコンを交換することでメンテナンスコストの削減が期待できます。基本的にパワコンの製品保証は10年。この前後の時期になると故障の可能性が高まり、故障してしまうとその間は売電収益がかなり減ってしまいます。また故障対応による時間的なロスも面倒なものです。
リパワリングを検討するのは保証期間の切れる前が良策といえるでしょう。メガ発のお客様では7~8年程度でリパワリングを検討されるお客様が多い印象です。
パワコン交換によるリパワリングのデメリット
デメリットはやはり費用面です。一般的にパワコン交換では単相で300万円程度、三相で350万円程度の金額が相場感となっており、決して安いものではありません。
とはいえパワコンの製品保証は10年となっているものがほとんどのため、FIT期間である20年の間に一回はパワコンの交換は必要です。基本的には交換は必要なものなので、発電量のアップ分で回収まで見込めるような提案内容であればデメリットも解消できるものと考えてよいでしょう。
太陽光発電のリパワリングについてのまとめ
本記事をご覧いただきありがとうございました。今後はリパワリングを検討される方も増えてこられると思うので、メガ発では出来るだけ正確な情報をお届けすることを心がけております。新しい情報入り次第アップデートしてまいりますので引き続き何卒よろしくお願いいたします。
リパワリングは決して安いものではありませんが、商品によってはローンでの販売をおこなっているものもございますので、ご検討される方はお気軽にお問い合わせください。
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