パワーコンディショナー(パワコン)って何?投資用と住宅用の違いは? - 土地付き太陽光発電の投資物件探しは【メガ発】

パワーコンディショナー(パワコン)って何?投資用と住宅用の違いは?

公開日:2019/05/09 | | カテゴリ:太陽光発電投資の基礎知識

パワーコンディショナー(パワコン)って何?投資用と太陽光の違いは?

太陽光発電について調べていると、「パワーコンディショナー」という言葉を耳にしたり目にすることがあると思います。もしくは、パワーコンディショナーの略名である「パワコン」という言葉が使われていたかもしれません。

よく耳にする言葉ですが、太陽光パネルと比べるとパワーコンディショナーについてはあまり詳しく知らない方が多いのではないでしょうか。本記事では、この「パワーコンディショナー」について、役割から特徴まで投資用と家庭用との違いを明確にしながら徹底的に解説をしていきます。

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パワーコンディショナーとは

パワーコンディショナーは金属でできた箱状の電気機器で、大きさは衣装ケースくらい、見た目は宅配ボックスやロッカーが近いです。

オムロンパワーコンディショナー

出展:「オムロン

産業用太陽光ではパネル下の架台柱に、住宅用太陽光では住宅の外壁に設置されているところをよく見かけます。

パワーコンディショナーは、太陽光パネルに比べるとあまり目立つ存在ではありません。しかしながら、パワーコンディショナー(パワコン)は、太陽光発電の心臓部とも言われる非常に重要な電気機器です。

いくら太陽光パネルが発電したとしても、パワーコンディショナーがなければ発電した電気は家の中で使うこともできませんし、売電することもできません。

パワーコンディショナーの役割

ではパワーコンディショナーにはどのような役割があるのでしょうか。

それは、太陽光発電で発電した電気を変換・調節することです。具体的に言うと、主な役割として以下の2つがあります。

  • 発電した電気を家の中で使えるようにする
  • 発電した電気を売電する

2つの役割をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

発電した電気を家の中で使えるようにする

まずは、以下の図をご覧ください。これは、太陽光発電システムの簡単な構成図です。

太陽光発電システムの簡単な構成図

パワーコンディショナーが、太陽光パネルと分電盤・売電メーターの間にあることがわかります。

太陽光パネルで発電した電気は、パワーコンディショナーまで伝達されます。その電気は、住宅用太陽光発電では家の中で消費され、余った分が売電メーターを経由して売電されます。

実はこのとき、パワーコンディショナーで太陽光パネルで発電した電気を変換しているのです。なぜなら太陽光パネルで発電した電気は「直流電流」で、家の中ではそのまま使うことのできない電気だからです。

その「直流電流」を家の中で使える「交流電流」に変換することこそが、パワーコンディショナーの役割です。

50kw以上の産業用太陽光の場合は全量買取のため消費がありませんので、全ての電気が売電メーターを経由して売電されることになります。売電する場合も、交流電流である必要がありますのでパワーコンディショナーが必要です。

10kw~50kW未満の産業用太陽光発電の場合は2021年度以降に認定を受けたものは余剰買取のみとなりますが、住宅用太陽光発電と同様の流れで売電することとなります。

発電した電気を売電する

パワーコンディショナーのもう1つの役割が、上でも少し説明した通り発電した電気を売電することです。

正確に言うと、使うのか売るのかを判断して系統の電圧状況に合わせて売電する電気の電圧を調整する、という機能を持っています。 この「系統の電圧状況に合わせる」とはどういうことでしょうか。系統とは、電柱や電線など電力会社側の設備のことを言います。この系統へ電流を送電(逆潮流ともいいます)することで、売電を行います。

電気は、電圧が高い方から低い方へ流れるという特性があります。水の流れをイメージしてみてください。

水も水位の高いところ(上流)から低いところ(下流)へ流れていきます。系統の電圧は、周囲の電気の消費状況や太陽光発電からの売電状況で、絶えず上がったり下がったりを繰り返しています。

系統に入る電気と出ていく電気が常に変動しているため、電圧もそれに応じて少しずつ変化しています。目安の電圧が100Vですが、実際には電気事業法で定められている101Vを基準に±6V、つまり95V~107Vの間で電圧は変動しています。

そのため、太陽光パネルで発電した電気を系統側に送電する際には、系統側の電圧よりも高い電圧に調整しなければ売電できません。この電圧調整の役割を、パワーコンディショナーが担っているのです。

パワーコンディショナーの主な役割は上記の2点ですが、それ以外にも安定発電のためにさまざまな機能が備わっています。

出力抑制(出力制御)命令に合わせた出力抑制機能や、災害時に非常用電源として使える自立運転機能、発電量を最大化するMPPT制御機能などがあります。

発電量を最大化する(最大電力点追従制御)

太陽光パネルの発電量は、天候や時間帯による日射量の変化、パネルの温度などによって常に変動します。
パワーコンディショナーには、こうした状況下で常に発電量を最大化するための「最大電力点追従制御(MPPT:MaximumPowerPointTracking)」という重要な機能が搭載されています。
この機能は、刻一刻と変わる発電状況の中から、電圧と電流の最適なバランス(最大電力点)を自動的に見つけ出し、最も効率よく電力を取り出せるように制御するものです。

MPPT機能の性能が高いほど、同じ太陽光パネルを設置していても年間の総発電量に差が生まれます。
特に曇天時や朝夕など日射量が少ない時間帯の発電効率に影響を与えるため、パワコンの性能を比較する上で非常に重要な指標となります。

万が一の際にシステムを守る(系統連系保護機能)

太陽光発電システムは電力会社の送電網に接続して運用するため、系統側でトラブルが発生した際に発電設備や作業員の安全を守る仕組みが必要です。
その役割を担うのが、パワーコンディショナーに備わっている「系統連系保護機能」です。
例えば、落雷や送電網の事故などで停電が発生した際、太陽光発電システムが発電を続けて電力を送り出すと、復旧作業中の作業員が感電する危険があります。

また、電圧や周波数の異常が発電設備に悪影響を及ぼす可能性もあります。
系統連系保護機能は、これらの異常を検知すると即座に太陽光発電システムを系統から切り離し、電力の逆流を防ぎます。
これは、安全な運用を維持するために法律で義務付けられている非常に重要な機能です。

停電時でも電気が使える(自立運転機能)

パワーコンディショナーには、災害などによる停電時に役立つ「自立運転機能」を備えた機種があります。
この機能は、電力会社からの電力供給が止まった際に、系統からシステムを切り離し、太陽光パネルが発電している日中であれば特定のコンセントから電力を供給できるようにするものです。
多くの機種では、パワコン本体に設置された専用コンセントから最大1.5kW(1500W)程度の電力を利用できます。

これにより、停電時でもスマートフォンの充電やテレビ、ラジオによる情報収集、最低限の照明の確保などが可能となり、非常時の安心につながります。
ただし、利用できる電力には上限があり、天候に左右される点には注意が必要です。
全てのパワコンに搭載されているわけではないため、特に住宅用での導入を検討する際は、この機能の有無が重要な選択基準の一つとなります。

パワコンにはどういったタイプがある?

パワーコンディショナーの役割を理解できたところで、どのような種類のパワーコンディショナーがあるのかを見ていきましょう。

基本的には、設置するのが屋内か屋外か、機器を細かく分けるのかまとめるのか、という2つのポイントがあります。

屋内型のパワコン

屋内型のパワーコンディショナーは、住宅用太陽光発電で用いられることが多いです。

運転音や放熱へ配慮した設置位置を選ぶ必要があり、居室や寝室から距離があって熱のこもりにくい脱衣所や廊下などに設置されることが多いです。後述する屋外型に比べると、以下の特徴があります。

  • 風雨による経年劣化の影響を受けにくい
  • サイズが一回り小さい
  • 湿気の多い箇所には設置できない
  • 価格的には安い

屋外型のパワコン

屋外型のパワーコンディショナーは、投資用の産業用太陽光発電でも数多く用いられてます。

屋内型と比べて、設置場所を選ばないというメリットがあります。また、常に風雨にさらされ続けられるため、表面塗装や接合部のシーリングを工夫することによって防水・防塵性能が高められています。一方で、その分だけ屋内型に比べると費用的には高くなる傾向にあります。

屋外型を産業用太陽光で用いる場合は、2つの設置方法があります。
それが、「集中型」と「分散型」です。

産業用太陽光発電はシステム容量が大きくなるので、その分パワーコンディショナーの総容量も大きくしなければいけません。このとき、パワーコンディショナーの機器をなるべくまとめる「集中型」か、細かく分ける「分散型」かという選択肢が出てきます。

それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。

集中型のパワコン

「集中型」は、パワーコンディショナー1台あたりの容量が大きいものを選んでなるべく少ない台数で設置する方法です。

台数を少なく抑えることができるため、初期導入時のコスト負担を減らすことができます。また、施工や保守メンテナンス時にも、台数が少ない分だけ工数の削減につながるというメリットもあります。

このように、集中型は設置効率が良いというメリットがあります。

一方で「集中型」は、故障など不具合時のインパクトが大きくなるというデメリットがあります。

1台あたりの容量が大きいため、必然的に紐づく太陽光パネルの枚数も多くなります。そのため、1台故障することでロスしてしまう売電量が大きくなります。 また、1台にかかる負担が増えるため、故障するリスクも分散型に比べると高くなるでしょう。

分散型のパワコン

「分散型」は「集中型」と逆で、台数は増えますがパワーコンディショナー1台あたりの容量が小さいものを選んで設置する方法です。

メリット・デメリットも「集中型」と全く逆で、メリットは不具合時のリスクを低減できること、そしてデメリットはコスト負担が増えることです。1台あたりの容量が小さく、紐づく太陽光パネル枚数が少ないため、「集中型」と比べると故障時の売電ロスが少なく済みます。

一方で、台数が増えるため初期導入コストも施工や保守メンテナンスのコストどちらも大きくなることになります。

「集中型」と「分散型」のどちらを選ぶかは、ご自身の投資方針や周辺環境などを考慮して決めましょう。

パワコンを選ぶ際のポイント

パワーコンディショナーの選定は、太陽光発電システムの長期的な性能と収益性を決定づける重要なプロセスです。
単に価格やメーカーの知名度だけで選ぶのではなく、システムの設置目的や環境に合わせて多角的に比較検討する必要があります。

例えば、発電量の最大化を目指すなら過積載への対応能力、災害への備えを重視するなら自立運転機能の有無、そして設置場所によっては静音性も無視できません。
これらのポイントを総合的に判断することが求められます。

過積載に対応できるか

「過積載」とは、パワーコンディショナーの定格出力容量よりも多くの太陽光パネルを接続することです。
これにより、曇りや雨の日、あるいは日射量の少ない朝夕の時間帯でもパワコンの出力を引き上げやすくなり、年間の総発電量を増やす効果が期待できます。
特に売電収入の最大化を目指す投資用太陽光発電では、過積載は一般的な手法となっています。

しかし、全てのパワコンが過積載に対応しているわけではありません。
パワコンには入力できる電圧や電流に上限があるため、過積載を計画する場合は、設置したいパネル容量に対応可能な入力仕様を持つ製品を選ぶことが必須です。
対応していないパワコンで過積載を行うと、機器の故障や保証対象外となるリスクがあるため、製品の仕様書を事前にしっかりと確認することが極めて重要です。

自立運転機能の有無は?

自立運転機能は、災害などによる停電時に太陽光発電システムを非常用電源として活用するための機能です。
電力系統が停止しても、日中に太陽光パネルが発電している限り、パワコンから直接電力を取り出して使用できます。
この機能は、特に防災意識の高まりから住宅用太陽光発電において重視されるポイントです。
停電時でもスマートフォンの充電や情報収集、最低限の家電製品の使用が可能になるため、万が一の際の安心感が大きく向上します。

製品によって、停電時に自動で自立運転に切り替わるタイプと、手動での切り替え操作が必要なタイプがあります。
また、使用できる電力量も1500Wが一般的ですが、製品ごとに異なるため確認が必要です。
投資用では必須とされないケースもありますが、住宅用では生活の安全を守る上で重要な選択基準となります。

静音性

パワーコンディショナーは、電力変換を行う際に内部の電子部品や冷却ファンから「モスキート音」と呼ばれる高周波音などの運転音を発生させます。
この音の大きさは製品によって異なり、特に静かな環境では気になることがあります。
屋内型の場合、設置場所が寝室やリビングに近いと、運転音がストレスになる可能性があります。

また、屋外型であっても、隣家との距離が近い住宅密集地では、騒音トラブルに発展するケースも考えられます。
そのため、パワコンを選ぶ際には、製品の仕様書に記載されている運転音のデシベル(dB)値を確認することが重要です。
一般的に40dB以下であれば、図書館内程度の静かさとされ、生活への影響は少ないとされています。
より静かな環境を求める場合は、冷却ファンを持たないファンレス設計の製品を選ぶといった選択肢も検討すべきです。

投資用土地付き太陽光発電では三相屋外集中型のパワコンが主流!

太陽光投資を目的とした土地付き太陽光発電の案件では、設置効率がよく費用面で有利になる屋外集中型のパワーコンディショナーを用いることが主流です。

分散型にして起こるかわからない故障時のリスクヘッジをするよりも、集中型で初期費用を抑えて手堅く収益性を向上させたいからです。また、屋外集中型の中でも「三相」屋外集中型が最も主流です。

「三相」というのは送電方法のことで、もう1つ「単相」というものもあります。

「三相」が産業用製品など大型設備に利用され、「単相」は家庭で使う家電機器に利用されています。産業用太陽光では、この三相でかつ屋外集中型が最もコスト効率に優れているため、採用されることが多くなっています。

三相屋外集中型のパワーコンディショナーを選ぶときに基準とすべきなのは、以下の3つの項目です。

  • 変換効率
  • 容量
  • 価格

1つずつ詳しく見ていきましょう。

変換効率

パワーコンディショナーが太陽光パネルで発電した直流電流を交流電流に変換する際、必ずロスが発生します。この変換ロスの割合が変換効率です。

変換効率が高いほど、発電した電気をムダにすることなくより多くの売電ができます。現状はどのメーカーもパワーコンディショナーの変換効率も横並びで、95%~97.5%程度になっています。

注意すべき点が、パワーコンディショナーと太陽光パネルの相性によって変換効率が変わるという点です。

メーカーが公表している変換効率はあくまで参考値ですので、パワーコンディショナーと太陽光パネルの最適な組み合わせを選択したほうが良いでしょう。また、メーカーや業者が提示する発電シミュレーションには、このパワーコンディショナーの変換効率も加味した上で、算出していることがほとんどです。

容量

産業用のパワーコンディショナーの容量は、10kWちょうどのものに加えて、50kWまで各20kW、30kW、40kW台でそれぞれラインナップがあります。また、分散型の場合は住宅用として3.0kW~6.0kWで数種類のラインナップされている10kW以下の容量のパワーコンディショナーを複数使うことになります。

パワーコンディショナーの容量は、太陽光パネルの出力値に合わせて選択をしましょう。また、過積載をする際はパワーコンディショナーに過積載可能な太陽光パネルの出力範囲を、事前に確認することをオススメします。

パワコンよりも容量の多いパネルを設置する「過積載」太陽光発電とは?

価格

太陽光発電設備の全体コストのうち、50%~60%と最も大きな割合を占めるのは太陽光パネルです。そして、パワーコンディショナーが占める割合は10%~20%と言われており、太陽光パネルの次にコスト負担が大きい機器です。

分散型で主に利用される5kW前後のもので、25万円~50万円ほどになります。集中型で利用されるような容量が大きいものであれば、100万円以上になります。定価ベースで、だいたい0.5kW容量が増えるごとにおおよそ1万円程度価格が上がるイメージです。

ただ、太陽光発電においてはあまり個別の機器の価格を見ることは少なく、システム全体の価格で見ることがほとんどです。そのため案件同士を比較する際は、全費用を容量で割ったkW単価で比較するようにしましょう。

パワコンのメンテナンスや保証、寿命は?

パワーコンディショナーは、エアコンや冷蔵庫等と同じ電気機器です。そのため、同じように劣化し寿命を迎えます。

パワーコンディショナーの寿命は、おおむね10年~15年です。太陽光発電は20年以上の運用期間になりますので、少なくとも1度は故障する計算になります。 このときのメンテナンスとしては、業者やメーカーでチェックしてもらい修理もしくは交換対応を適宜判断する形になります。

しかしながら、実情としては修理対応は難しいため、基本的に交換となることが多いです。そのため、投資の収益性を試算する際には、このパワーコンディショナーの交換費用も見込んで計画するようにしましょう。 また、修理・交換の作業時は、一旦発電を止めることになりますので、1日は売電収入がないことも合わせて覚えておきたいです。

ただ、基本的に10年もしくは15年のメーカー保証がついています。10年は無償でつくことがほとんどですが、メーカーによっては有償15年とオプションになっている場合もあります。

メーカー保証期間中に故障した場合は、無償で交換をしてくれるため、有償となっても15年のメーカー保証がついてくるのはとても安心です。

収益性を鑑みて、メーカー保証が15年のパワーコンディショナーを選択する、オプション料金を払って15年に保証期間を延長するかを検討しましょう。

投資用太陽光発電システム(パネル・パワコン)の寿命は20年間持つのか?【耐用年数】

パワコンの寿命の目安

パワーコンディショナーは精密な電子機器であり、太陽光パネル(一般的に20〜30年以上の寿命)とは異なり、永久的に使用できるものではありません。
多くのメーカーでは、設計上の標準使用期間を10年から15年と定めています。
これは、内部のコンデンサやパワー半導体といった電子部品が経年劣化するためです。
したがって、FIT制度などを利用して20年間の発電事業を行う場合、その期間中に少なくとも1回の交換が必要になる可能性が高いと考えておくべきです。

もちろん、この寿命はあくまで目安であり、設置されている環境(温度、湿度、日当たりなど)や使用状況によって前後します。
屋外設置の場合は、より過酷な環境に晒されるため、屋内設置よりも寿命が短くなる傾向があります。
将来的な交換費用をあらかじめ事業計画に盛り込んでおくことが重要です。

よくある故障原因

パワーコンディショナーの故障原因として最も多いのは、内部の電子部品の経年劣化です。
特に、電圧を安定させる役割を持つコンデンサや、電力変換を行う半導体素子(IGBTなど)は、長年の使用による熱や負荷で劣化が進み、性能低下や故障につながります。

また、機器内部の熱を外部に逃がすための冷却ファンも故障しやすい部品の一つです。
ファンが停止すると内部に熱がこもり、他の電子部品の劣化を早め、最悪の場合はシステム全体の停止を引き起こします。
その他、屋外に設置している場合は、筐体の隙間から雨水や虫、小動物が侵入し、基板がショートすることも故障の原因となります。
定期的な点検で、こうした劣化の兆候や異常を早期に発見することが、大きなトラブルを防ぐ上で重要です。

定期的なメンテナンスと費用

パワーコンディショナーの性能を維持し、長期にわたり安定して稼働させるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
改正FIT法では、太陽光発電設備の保守点検が義務化または努力義務化されており、パワコンもその重要な対象です。
日常的にできるメンテナンスとしては、パワコン本体のフィルター清掃や、エラー表示が出ていないかの確認があります。

これに加えて、専門業者による定期点検を4年に1回以上実施することが推奨されています。
専門点検では、外観の確認だけでなく、端子部の緩みや発熱のチェック、内部の清掃、絶縁抵抗測定など、専門的な機器を用いた詳細な診断が行われます。
点検費用は、1回あたり数万円程度が目安となりますが、発電量の低下を防ぎ、大きな故障を未然に防ぐための重要な投資と考えるべきです。

保証期間と内容を確認しよう

パワーコンディショナーを購入する際には、メーカーが提供する保証期間と内容を必ず確認することが重要です。
多くのメーカーでは、10年程度の製品保証を標準で付帯させていますが、中には15年の長期保証を提供している場合や、有償で保証期間を延長できるオプションを用意している場合もあります。
パワコンの寿命が10〜15年であることを考えると、保証期間はできるだけ長い方が安心です。
また、保証の対象範囲も確認が必要です。
保証が本体のみを対象とするのか、あるいは表示ユニットなどの周辺機器も含まれるのか、出張費や交換作業費は保証の範囲内かといった点を細かくチェックします。

自然災害による故障はメーカー保証の対象外となることがほとんどのため、別途、火災保険や動産総合保険への加入も併せて検討する必要があります。

まとめ

パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電した電気を家で使ったり売電できるように変換する電気機器でした。産業用太陽光では、三相屋外集中型を用いれば設置台数を減らすことができるので、より効率的な投資になります。

一方で、10年~15年で寿命を迎え交換をする必要があるため、メーカー保証期間は慎重に検討した方が良さそうです。

太陽光パネルにばかり注目が行きがちですが、太陽光発電の心臓部とも言われるパワーコンディショナーにも目を向けて、安定した太陽光投資を実現しましょう。

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監修

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メガ発事務局 太陽光アドバイザー

曽山

『誠実、スピーディーな応対』をモットーに、日々運営しています。お客様への応対だけでなく、全国に数百ある提携業者様とのやり取りをはじめ、セミナーの企画、ウェブサイトの改善など、お客様のお役に立てるよう、日々業務に取り組んでいます。お困り事がありましたらメール、お電話にていつでもご連絡下さい。

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